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奇跡の原っぱ「そうふけっぱら」保全のための署名活動にご協力ください!

2013.04.03
活動報告

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千葉県印西市の「千葉ニュータウン21住区」開発用地内に残る「そうふけっぱら(草深原)とよばれる約50haの草原は、開発計画が約40年間中断されてきたことで奇跡的に残されてきた全国的にも貴重な自然環境です。
しかし昨年末から本格的な造成工事が再開されています。
この貴重な自然環境の保全とその自然環境を街の魅力・財産として活かしたまちづくりが進められるよう、地元市民団体「亀成川を愛する会」が中心となって署名運動が開始されました。
日本自然保護協会もこの場所の自然保護運動に深く関与していることから、皆様にも広く署名活動へのご協力をお願いいたします。

 

●署名活動への参加方法・返送方法の詳細や活動の進捗については、「亀成川を愛する会」ウェブサイトをご覧ください。
下記サイトでネット署名もできます。http://www.kamenari-love.com/

 

●署名用紙はこちら(PDF/662KB)
からもダウンロードできます。
 

●奇跡の原っぱ「そうふけっぱら」は、なぜ「奇跡」なんですか?

 くわしくはこちらへ・・・ (2013.7.12 NEW!)
 

 


 
■「そうふけっぱら」の重要性
戦後の燃料革命以降、日本からは急速に草地環境が失われました。そんな中、ニュータウン開発が40年間にわたり中断していたことや、その後も定期的な草刈り管理が事業者によって続けられてきたことで、この場所には約50haもの草原が残されてきました。それだけでなく、池・湿地・森林といった多様な里やま的環境がそのまま残されており、高い生物多様性が保たれています。例えば、絶滅危惧種27種が確認されているほか、千葉県内で唯一の生息生育地となっている生物や、国内最大規模の生息地となっている絶滅危惧種も見つかっています。
また、「そうふけっぱら(草深原)」として今でも地元印西市で絵本や民話などにも語り継がれていることや、浮世絵や絵巻などで描かれる江戸時代の「小金牧」そのままの景観が残されていることなどから、文化的にも重要であるといえます。

 

最近では生態学を中心とする全国の専門家からも注目を集めています。日本自然保護協会が全国の専門家5名に依頼して行っていただいた評価の結果、「関東平野を代表する里山環境が残されている」「極めて高い学術的価値を持つ」といった重要性が改めて指摘されました(詳細は生態系に関する評価結果を参照 https://www.nacsj.or.jp/katsudo/shimousa/pdf/20130322soufukepparayoubousyo-shiryo-senmonkahyoka.pdf

 

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■そうふけっぱらの現状
 NACS-J及び地元「亀成川を愛する会」は、昨年の7月に、この場所の保全と土地利用計画の見直しを求める要望書を、事業者であるUR都市機構及(以下、UR)び千葉県企業庁に提出しています。しかしその後十分な対応はなされず、それどころか昨年末から大規模な造成工事が開始されており、既に用地南側の区画にあった森林などは消滅してしまいました。現行の計画では、そうふけっぱらの最も重要な中核部分をふくめ、すべて1年以内に造成され消滅してしまう予定です。
これは、URが平成25年度末までに全国のニュータウン事業から撤退することが決定されており、それまでに土地の造成と処分(販売)を行うことが社会的にも強く求められているためです。
このような現状を受け、私たちは2月にシンポジウムを緊急開催するとともに、3月には改めて事業者及び千葉県知事宛に要望書を提出しています。

 

■私たちのスタンス
既に決定し今まさに進行している都市開発計画を変更することは容易ではありませんし、私たちは開発計画すべての中止を求めている訳ではありません。しかし、地元印西市民の多くが周辺の自然環境の保全や自然との共生を望んでいることや(※1)、ニュータウン用地の造成を進めたとしてもすべての用地を売却することは客観的に見ても非常に厳しい社会経済的情勢にある(※2)といった状況もあります。私たちはこのまま造成を進めるよりも、全国的にも貴重な自然環境を保全し、これだけ貴重な自然環境が隣接していることをこの街の新たな魅力・価値としてまちづくりを進めていくことこそ、市民・事業者双方のメリットにつながると考えています。もちろん、当地の自然環境がすべて失われることは、千葉県や我が国全体の生物多様性にとって無視できない損失となることであり、生物多様性保全の観点からは容認できるものではありません。

 

そこで私たちは、事業者(UR・企業庁)及び自治体(千葉県・印西市)に、①地元市民や地元印西市とともに今後のまちづくりのあり方を改めて考える協議の場を持っていただくことと、②重要な自然環境が残されている場所については造成工事を行わず保護地域としていただくことを本署名活動を通じて要望します。

 

※1:例えば印西市が都市マスタープラン改訂に際して平成22年に実施したアンケート結果など
※2:例えば内閣府の「独立行政法人都市再生機構の在り方に関する調査会」報告資料など

 

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