全国一斉かんさつ会・千葉県大網市の「大網白里ウォーキング会」に参加してきました!
教育普及部の小林です。
3月23日、全国一斉かんさつ会にお邪魔させていただきました!
今回は、千葉県大網市の上田さんの観察会「大網白里ウォーキング会」です。今回で138回となるこの観察会、広報一切なしで毎回50~80人の方が集まり、10km程歩きつつ道中で自然や文化をみていくそうです。
事前にそう聞いていた私は、「10kmも歩けるかな…。みなさんについていけるかな…。」と、いろいろ心配をしていました。……が!
待ち合わせ場所に着いた瞬間から辺り一面春満開! そして上田さんと、その他のリーダーの方々の温かではじけるような明るい声で一気に心配など吹っ飛んでしまいました。
最初にラジオ体操をしてから、日本の伝統色のカードをリーダーが持ち、見つけた春と、その色合わせをしながら歩く、ということで出発。
出発して間もないうちに鮮やかなタンポポ畑で早速ストップ。色を確認します。
セイヨウタンポポの見分け方なども見た後、再び歩き始めました。
幾分もいかないうちに今度は黄色が薄いタンポポに出会い、またストップ。これは在来のタンポポでしたが、私含めて実は初対面という参加者で大盛り上がり。葉の柔らかさがセイヨウタンポポとは違うことも観察。
さらにその近くには白いタンポポも咲いていてタンポポから始まるウォーキングとなりました。
谷津沿いに歩くと、片側には野の花やツクシが踏まずには歩けない程咲き乱れ、反対側には新芽の雑木林や花のついたアケビやキブシが。
ため池のほとりには桜が満開でした。
色合わせで、「花びらは何色だと思いますか?」とリーダーに聞かれ、「桜色」という色カードを当ててみましたが、まったく違う色! 実際の花びらはカードにはない、「白」でした。つぼみには桜色があることも発見。
みかん、スミレ、カエル、ヨモギ、カラスノエンドウの葉、ボケ、トクサ……書ききれないほどたくさん観察し、色合わせをしました。
特に話題になったのは桜の他、みかんの色を調べると「ひまわり」色だった事です。同じ木なのに、みかんによって微妙に色が違う事も参加者の方が発見。何十色もあるカードなのに、こだわりだすとどうしても見つからない中間色もあることも話題に。
歩きながら、大網は昔、井戸や蒔で生活し、鶏はどの家にもいたという地元の昔の姿から、来月完成する圏央道建設で自然に変化があることも伺い、観察もさることながら、人とのつながりができるという観察会の良さを実感しました。
貝の化石も見られる地層の壁のトンネルや、昔ながらの作りの民家、神社誕生の理由など、地質や文化にも触れられ、とても充実した会でした。
50人を越える老若男女の参加者を10kmも誘導しつつ、ポイントはおさえた観察をするために、主催の上田さんは130回を越えた今でも毎回3回下見をされているとのこと。
また、和気あいあいと自由に観察ができる雰囲気づくりをされる一方で、危険な単独行動などは厳しく注意され、さすが経験を積まれたリーダーだと感じ、その人柄にひかれて人が集まっているのでは、と思いました。
ほかのリーダーの方々も列が長くなりすぎないよう常に気を配られ、大網の自然の魅力もさることながら、リーダーとしての経験や実行力が産む信頼を実感し、「私も頑張らなくては!」と、とても勉強になった一日でした。