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生物多様性ノレッジカフェ「世界は辺野古を見ている」で話しました。

2013.02.20
活動報告
 icon_abe.jpg 保護プロジェクト部の安部です。
2月16日、生物多様性ノレッジカフェ「世界は辺野古を見ている」(沖縄生物・多様性市民ネットワーク主催、オキナワアウトリーチ共催)が泡瀬干潟のウミエラ館(沖縄市)で開かれました。
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このイベントは、辺野古の環境アセス手続きが終了し、国による辺野古埋め立て承認申請が懸念されるなかで行われたということに重要な意味がありました。当日は、50名を越える人たちが集まりました。
最初に、吉川秀樹さん(沖縄・生物多様性市民ネットワーク)から「辺野古・大浦湾を世界につなぐ」と題し、ジュゴンの基礎的な情報や沖縄県民の辺野古基地反対運動の戦いの歴史についてのお話がありました。そこからジュゴンの保護のための国際機関や制度としてボン条約(CMS)、ワシントン条約、国際自然保護連合(IUCN)、「ジュゴン保護の覚書き」(UNEP/CMS )、米国にあるジュゴンを保護するしくみであるMMC(米国海洋哺乳類委員会)などについて説明されました。
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次に河村雅美さん(沖縄・生物多様性市民ネットワーク)から「沖縄のジュゴンが米国の法廷に登場できるわけ:ジュゴン訴訟って何?」と題し、米文化財保護法(NHPA)に基づいて、県内住民や日米の環境団体がジュゴンを保護を求めて、2003年に起こしたジュゴン訴訟についてお話しいただきました。
この訴訟は沖縄の住民3名が原告になっており、被告は当時の米国国防長官ラムズフェルドでした。これは事業を止める法律ではないのですが、現在も係争中の件です。こうした裁判はその話題性などから国際世論を高め、味方をつくっていくツールとして使えます。沖縄がイニシアティブを取り、発信者となることで、世界中に仲間をつくることができるきっかけになりえます。
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私からは「国際会議の辺野古のジュゴンと大浦湾のアオサンゴ群集が登場」と題し、昨年、オーストラリアで開催された国際学会についての話をしました。
この学会で、ジュゴンの研究で世界の第一人者であるヘレン・マーシュ博士が基地計画に揺れる辺野古を紹介し、ジュゴン訴訟では「ジュゴンが勝つと信じている」と述べられたこと。そしてそれが世界から集まった2,000人の研究者の注目を浴びたことをお話ししました。
また、私自身はこの学会で大浦湾のチリビシのアオサンゴ群集のことを発表し、アオサンゴの研究は珍しさや市民の手で計測されたことなどについて多くの人たちが興味を持ってくれたことを話しました。
(参考記事:「オーストラリアで開催された国際サンゴ礁シンポジウムで、辺野古・大浦湾での市民調査活動について発表してきました。」)
私を含め今回の発表者3名は、それぞれの言葉で、「沖縄は沖縄だけで戦っているのではなく、世界中に支援者がいるのだ」ということを沖縄の方たちにお伝えしたかったのです。
最後に印象に残った吉川秀樹さんの言葉をご紹介しましょう。
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辺野古・大浦湾を世界につなぐには?
私たちは、すでにつなぎかたを知っている
私たちは、すでにつながっている
次は、そのつながりを、より強く、確かなものにすること
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▲質疑応答にて、普段はカナダにいらっしゃる方からのコメントがありました。まさに世界と沖縄はつながっていると思いました。

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▲割烹着姿で挨拶するウミエラ館長。泡瀬干潟を守る連絡会の小橋川共男さんが作成したカレンダーを宣伝中。ウミエラ館では泡瀬干潟で採れたアーサも売っています。

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