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アユモドキ、オオサンショウウオが暮らす場所の開発計画が進んでいます。

2013.01.08
活動報告
icon_abe.jpg  保護プロジェクト部の安部です。今年もよろしくお願いいたします。
新年早々、2件の相談をいただきました。
ひとつは亀岡市(京都府)に建設が決まったサッカースタジアムについてです。
計画の詳細は亀岡市ウェブサイトに掲載されています。
http://www.city.kameoka.kyoto.jp/suisin/kurashi/kyoiku/leisure/sports-jigyo/daikibosupotusisetu.html
この予定地には、国の天然記念物で絶滅危惧種(環境省レッドリスト 絶滅危惧ⅠA類)である淡水魚アユモドキが生息しています。
アユモドキはドジョウ科の魚で、昔は琵琶湖淀川水系と岡山県の吉井・旭・高梁の三河川に生息していました。
しかし現在では、琵琶湖と淀川下流部ではほとんど姿を消し、岡山県河川でも記録がほとんどありません。わずかに岡山市の旭川水糸祇園用水と淀川水系大堰川の八木・亀岡付近の2カ所にて生息が確認されている希少な魚です。
アユモドキについては岡山がNHKの「ダーウィンが来た!」にて取り上げ上げられたことがありましたので、ご覧ください。
●「幻の魚が用水路にいた!」(http://www.nhk.or.jp/darwin/program/program031.html
なぜ希少な魚が棲むこの場所に、サッカースタジアムを作ることが必要なのか、疑問を感じざるを得ません。
もうひとつの相談事は計画が進む近畿地方の川上ダムのことについてです。
事業の資料は下記から見られます。
http://www.kkr.mlit.go.jp/river/kensyou/kawakami_publiccomment.html
亀岡市のサッカースタジアムの件と同様、事業そのものへの疑問もありますが、何よりもここは特別天然記念物である、オオサンショウウオの生息地です。
オオサンショウウオもアユモドキ同様、個体数の少ない絶滅危惧種です(環境省レッドリスト、絶滅危惧II類(VU))。
生息環境の整備としてオオサンショウウオ用の道や人工巣穴を造るようですが、オオサンショウウオだけではなく、「オオサンショウウオが棲める豊かな環境」そのものを残さない限り絶滅はまぬがれません。

20130108abe-jugon.jpg

こうした事業は、天然記念物であり絶滅危惧種(環境省レッドリスト、絶滅危惧IA類(CR))であるジュゴンが生息しているにも関わらず進められている沖縄・辺野古の基地建設事業と重なります。
いったい何のためにレッドリストを作成し、天然記念物に指定しているのでしょうか。埋め立て工事やダム建設は環境に不可逆的な影響を与えてしまいます。後で間違いに気づいても元に戻すことはできません。
NACS-Jは絶滅危惧種やそれらを取り巻く環境がきちんと保全されるよう、また無駄な公共事業がこれ以上行われないよう、今後も働きかけを行っていきます。

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