第12回「環境goo大賞」授賞式で、企業や団体のみなさんと生物多様性情報発信のワークショップをしました。
こんにちは、広報・編集部の渡辺です。
昨日は、第12回「環境goo大賞」の授賞式でした。
環境goo大賞というのは、NTTレゾナント株式会社が、環境保全や社会貢献活動に取り組む企業や行政、団体または個人のウェブサイトを審査表彰する賞です。
1116件のエントリーがあった今年、NACS-Jは審査員特別賞と生物多様性賞をダブル受賞! 昨日は、今回受賞した10の企業・団体・行政機関のほか第一次審査通過団体が参加しました。
(環境goo大賞の詳細や、各受賞サイトの評価ポイントなどはこちらから。)
▲前列中央が環境goo大賞の「セキュリテ被災地応援ファンド」のミュージックセキュリティーズ 株式会社さん。
左から3番目がNACS-Jの会報・WEBサイト編集長の鶴田。
各賞の授賞式の後には審査員からの各サイトへの評価と参加者同士によるフリップディスカッション(ワークショップ)を行いました。
このディスカッションは、「生物多様性」「被災地・被災者支援活動」などのテーマごとに分かれ、私たち「生物多様性」グループには、NACS-J、東京動物園協会、ダイキン工業株式会社、コニカミノルタホールディングスの4者と審査員であるCEPAジャパンの川廷昌弘さん。
東京動物園協会のウェブサイト「東京ズーネット」では、東京都内の動物園の情報や各動物園の動物たちの情報、そして動物・環境保全に関する情報を発信。
ダイキン工業は、リモコンで”木”を育てながら楽しんでエアコンの省エネ運転ができ、それがインドネシアでの植樹に結びつくというプロジェクトのサイト「Re:エアコンプロジェクト」を運営。
そしてコニカミノルタは、「絶滅危惧動物図鑑 みんなで守ろうぼくらのなかま」という、約150種の絶滅危惧動物を紹介する小学生向けのサイトを運営しています。
まず、それぞれがサイト運営の中で「工夫・努力している」こと、「困っている・ヒントがほしいこと」を伝え、困っていることの解決策を話し合いました。組織も活動内容も、ウェブサイト内容もさまざまな4者なので、当然のことながら、困っていることもバラバラ。でもそれがかえってお互いの解決策のヒントになるのではないかと川廷さん。
たとえば、コニカミノルタの「絶滅危惧動物図鑑 みんなで守ろうぼくらのなかま」(右)は、絶滅危惧動物が小学3・4年生の授業で取り上げられるテーマのため、学校で補助教材として活用されることが多いそう。このため、毎年非常に多くの3・4年生たちがこのサイトを学校や家庭で見てくださるけれど、課題は学校で絶滅危惧の学習が終わるとこのサイトを継続して見てくれる子どもが激減してしまうということ。
つまり、入れ替わりはするものの学校現場で利用されているため毎年確実に入ってくるユーザー数が安定しているのが大きな強み。でも、リピーターになってくれる人が少ないということが困りごと。
この解決には、生物多様性保全に長年取り組んできているため経験も情報も豊富なNACS-J(これがNACS-Jの強み)と組んで、子どもたちが継続してサイトをみてくれるような情報を発信する、例えば子どもや親たちが家庭でも関心をもちやすいペットの話題から外来種問題についてわかりやすく解説していく、などの提案をしました。
一方、東京動物園協会の「東京ズーネット」(右)困りごとは、動物園について調べるためにサイトに来てくれる人は多いものの、動物園の利用情報(場所や入園料、開園時間など)をみるだけで動物に関する情報などほかのページをみてくれる人が少なく、もっと学校の先生方や親御さんたちにもこのサイトをじっくりみてほしい、ということ。
この解決には、コニカミノルタの「学校現場で利用されている」という強みが解決のヒントに。もしコニカミノルタと東京動物園協会のサイトが協力できれば、動物園協会では学校ユーザーが取り込め、コニカミノルタではPC内の情報にとどまらず、動物園協会の強みでもある「実際の動物園=本物の動物たちとの触れ合い」というところまで子どもたちに提供していく仕組みができるかもしれない、といった提案もありました。
短い時間しかなかったためアイデア出し止まりとはなりましたが、それぞれ異なる組織・ウェブサイトと協力してお互いの強みを生かし、問題を解決していく可能性がみえた、とてもいい機会となりました。
ディスカッションの中で、「画期的!」と皆が口をそろえたのが、ダイキン工業の「Re:エアコンプロジェクト」(左)。
このプロジェクトのすごいところは、エアコンを省エネ運転することでリモコン上の木を育てるゲームのような楽しみがあるというだけでなく、リモコン上の木を育てるとポイントがたまり、一定ポイントがたまってダイキンのWebサイトや専用センターに登録すると、実際にインドネシアで森林再生や保全の活動が行われる、というしくみになっていること。
省エネのアイデア商品はいろいろありますが、実際の環境保全活動の支援につながる仕組みまでできているものは少ないと思います。でも、担当者の方たちによると、こうした商品は会社内での認知が低く、売り場などでのアピールがなかなかされない・・・というのが悩みだそうです。こうしたユニークな商品こそ、評価が高くなる世の中にしていきたいですね。
そして、NACS-JのWebサイトも、生物多様性の価値を世の中に広め、保全を進めていくためにも、こうしたチャレンジを続けるWebサイトとどんどん協力して、情報発信をしていきたいと思います。