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泡瀬干潟では、絶滅危惧種が暮らす貴重な場所さえも浚渫・埋め立て工事で破壊されています。

2012.12.16
活動報告
icon_abe.jpg  保護プロジェクトの安部です。

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泡瀬干潟では日に日に浚渫と埋め立てが進んでいます。
ウミエラ館から干潟の左側を見ると、浚渫船が2隻止まり、浚渫する場所を囲むように黄色い汚濁防止膜が広げられています。
(→写真:フジイロハマグリやウミエラが生息している場所を浚渫する船。)
これはマリーナをつくるための浚渫なのですが、ここは今年4月に絶滅危惧種のフジイロハマグリの生息が市民の手で新たに発見されたまさにその場所です。

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マリーナの需要自体ほとんどなく、すでに沖縄市にあるマリーナには使われていない場所が多くあるのに、それでもここを浚渫しています。
近くに行くとクレーンの先から白い砂がこぼれ落ちているのが見え、美しく広がっていた白い砂浜が破壊されていることがわかります。
(←写真左:浚渫船のクレーンの先から白い砂が見える。
写真右:浚渫船のクレーンの口が開き、これから白い砂をつかみにいく様子。)

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一方で干潟の右側の方を見るとすでにできてしまった護岸の周囲に何台もの工事車両が並んで作業しているのが見えます。
(←写真:護岸の周囲に並ぶ作業用の車両や機材)
護岸の中にはかつては美しいサンゴ群集が広がり、多くの魚類や希少な貝類などが生きていました。今もまだそれらの生き物たちが生きているかどうかはわかりませんが、浚渫船が採ってきた生き物の混ざった白い砂は、この上にどんどん投入されているという事態です。

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現在、泡瀬干潟を守る連絡会では抗議行動の一環として海にいかだを浮かべています。これには「フジイロハマグリ、ウミエラ、ニライカナイゴウナ を死滅させる泡瀬干潟浅瀬の浚渫止めよ 泡瀬干潟を守る連絡会」と書かれています。
風がある日には、これが風に吹かれてクルリと舞い、埋め立て機材の方に向いて抗議し、少し角度を変えて仮設橋梁前のガードマンの方を向いて抗議し、また角度を変えて、車道・歩道にいる私たちに抗議内容を見せてくれます。
(←写真上:泡瀬干潟を守る連絡会が抗議のために海に浮かべたいかだ。写真下:埋め立て機材の方を向き向い抗議するいかだ。)

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護岸の外にはまだまだ元気なサンゴ群集や生き物たちが生きています。
この日海の中で出会ったのはふかふかのウミヒルモの上でゆっくり寝そべっているナマコでした。ナマコにもウミヒルモにも長生きして欲しいものです。
NACS-Jは何とかしてこの事業を止めたいと考え、行動しています。
(→写真:ウミヒルモの藻場にいるナマコ。)

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