浚渫・埋め立て工事が進む泡瀬干潟の夜、生きものたちの悲鳴が聞こえてきます。。。
引き続き保護プロジェクト部の安部です。
潮が大きく引く夜に泡瀬干潟に散歩に出てみました。
同行者は泡瀬干潟を守る連絡会の小橋川共男さんとウミエラ館館長の屋良さんです。
夜23:00に泡瀬干潟ウミエラ館に集合し、23:30に出発しました。広大な干潟もすっかり暗くなっています。干潟を歩き慣れ泳ぎなれている小橋川さんは手に持っている懐中電灯も点けずにすたすた歩いて行ってしまったので写真に写っているのは屋良さんのみです。
(→写真1:ウミエラ館館長・屋良さん)
少し歩くと、足元でカニが何の用かと問うようにこちらに向かってはさみを振り上げています。真っ暗な夜の海は懐中電灯の光だけが頼り。踏まなくて良かったです。
(→写真2:ハサミを振り上げるカニ)
1時間半ほど歩いたら浚渫用に張られている汚濁防止膜までたどり着きました。
写真3の手前の金属部分が膜全体を固定するものです。一番奥に見えているピンク色の部分(実際は黄色いシートですが、夜間撮影のためこのような色に写っています)は潮が満ちているときは水面に浮いています。ここと固定用の金属の間が膜になっています。
(←写真3:潮が引いたため干潟に横たわる汚濁防止膜)
早速、汚濁防止膜の固定用金属に海草が押しつぶされている様子が目に入ります。ハボウキガイはあと5cmというすんでのところで助かったものの、この先が心配です。ナマコは固定用金属の中に入ってしまっていました。写真7の海草とコブヒトデもあと数10cm外側に膜が来ていたら下敷きになってしまっていたことでしょう。
(←写真4:押しつぶされている海草)
(←写真5:すぐそばに固定用金属を置かれたハボウキガイ)
(→写真6:固定用金属の中に入ったナマコ)
(→写真7:倒れてくる膜の下敷きにならずにすんだ海草とコブヒトデ)
ウミエラも何個体か生きていましたが、どの個体も先端がはげて、元気を失っている様子でした。
(←写真8・上:砂地にそびえたつウミエラ)
そしてしばらく歩いていたら、汚濁防止膜の犠牲になって倒れたと思われるウミエラを見つけてしまいました。この付近で見られるウミエラは大体体長10cm-15cmのものが多いのですが、この倒れているものは30cmほどありました。
倒れたウミエラを持ち帰っても生き延びないので、付近の砂地に植えてきました。
すっかり悲しい気分になり帰路につきました。ウミエラ館に戻ってきたのは3:30。
干潟の広さを足で感じた4時間でした。
(←写真9・下:倒れたウミエラ)
(→写真10:ウミヘビの子供)