アカガエル復活のための保全計画をつくりました。
こんにちは、保全研究部の高川です。
12月14日に千葉市の「大草谷津田いきものの里」にてアカガエルの保全計画を作るためのワークショップを行いました。この場所は市街地のすぐ近くにありながらも驚くほど多様な生きものが生息している貴重な里やまです。
またここは、「モニタリングサイト1000里地調査」開始のきっかけともなった場所で、地元の市民団体「大草調査隊」によって実に8年間以上の生物モニタリング調査が継続されています。
市民団体と市役所の努力によってこれまで素晴しい自然環境が維持されてきましたが、ここ数年でニホンアカガエルが急速に姿を消しつつあることが調査の結果から明らかとなってきました。そこで急遽アカガエルの保全のためのアクションプランをつくるための会合を千葉市役所と市民団体とで開催しました。
会合では、NACS-Jが開発したワークショッププログラムの手法「保全行動計画デザインワークショップ」を行いました。
まずはアカガエルが生きていく上で必要な環境条件をすべて洗い出し、それらを脅かしている要因を一つ一つ挙げていき、最後に、確実に実行でき、かつ効果が最も高いアクションを絞り込みました。短時間での議論でしたが、産卵場所となる水辺の創生や捕食者となっている可能性のある哺乳類の忌避剤を設置することなどのアクションが決まりました。
アカガエルが順調に復活できるかはこれから注意深く見つめていく必要がありますが、地域の自然を長年調査し続けてきた結果、今回のような生物多様性の変化を早期に発見し、手遅れになる前に保全のアクションに結び付けられたことは非常に画期的なことです。
NACS-Jでは引き続きこの場所での保全計画の実行の支援活動を続けていきます。