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ユネスコエコパ―ク登録を目指す福島県只見町でシンポジウムが開かれました。

2012.11.21
活動報告
icon_syumiya.jpg   こんにちは、保全研究部の朱宮です。
豊かなブナ林が残る福島県只見町では、ブナ林を守りながら地域経済の再生を進める手立てとして、ユネスコエコパークへの登録を目指しています。
そこで、地域住民のユネスコエコパークについての理解と参加を呼びかけるため11月18日、『ユネスコエコパーク地域シンポジウム「ユネスコエコパークが描く只見の未来」』が、只見町の季の郷湯ら里コンベンションホール「ゆきつばき」にて開催されました。

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当日は、先進地の自治体の事例として、7月に登録された「綾ユネスコエコパーク」(宮崎県)について、綾町の河野耕三さんから「ユネスコエコパークを通じた地域活性化―綾町の取り組み―」と題した講演がありました(右写真)。
河野さんは、綾町が照葉樹林をはじめとした地域自然を守り活かしながら地域づくりをしてきたのは決してユネスコエコパークの登録を目標に取り組んできたものではなく、あくまでもこれまでの町の取り組みが総合的に評価された結果としてユネスコエコパーク登録につながったことを強調されていました。
NACS-Jからは、綾ユネスコエコパーク登録までの経緯をお話ししてきました。
今、只見町をはじめユネスコエコパーク登録を目指す地域が増えてきていますが、綾町の事例は地域づくりを人づくりや人間関係づくりから始め、その土台の上に地道に積み上げてきた結果が登録につながった、ということを知ってもらうことが大切だと思っています。
そのほか、これまで只見町で5回開催された検討委員会の委員による発表もありました。

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町民からは冬場は東京や近隣のスキー場などで働かなければならない状況や、若者の嫁不足、原発風評被害、7月豪雨の影響など、過疎高齢化に伴うことや、人災や災害に伴う深刻な状況が説明され、ユネスコエコパークを通して地域ブランドを確立して伝統的な産品を販売することで地元でやっていける状況が作れるのではないか、と期待する声を多く聞きました。
こうした声は、綾町の状況よりも危機感が強いと感じました。
今後、ユネスコエコパーク登録に向けてほかの自治体も関心を寄せてくると思いますが、単に行政主導で登録に向けて取り組むのではなく、この機会を通して市民の主体的な行動が引き出せるような地域づくりのあり方とともに進められていくことが期待されます。

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