東日本大震災の海岸植物群落への影響が少しずつ見えてきました。
4月から調査を始めている東日本海岸調査。市民調査で進めている海岸植物群落調査では、各地の調査員のみなさんからの調査結果が続々届き始めています。計画していた220カ所の調査地点のうち180カ所で調査を進めており、9月30日時点で40カ所のデータが届きました。
多くの海岸で砂浜が減少し、植物群落も小さくなったという報告もありますが、小さな群落になっても、力強く生きているというコメントを調査員からいただいています。しかし、復旧工事での道路建設や土砂置き場になり植物群落が消えてしまっている場所もあり、津波の後の人為による海岸植物群落への影響が大きいのかもしれません。(右写真:被災地の海岸で進む堤防建設)
NACS-Jでは今回の結果を取りまとめ、復興に際し、生物多様性保全の観点からも海岸植物群落に配慮して進めるよう提案したいと思います。調査結果は「東日本海岸調査WEB」に震災前後の比較ができる形で逐次公開をしていますのでご覧ください。(現在、公開は終了しています)
この事業の結果は2月に植生学会と共催で開催するシンポジウム(下記)で発表予定です。
(小此木宏明/保全研究部)