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風力・地熱発電の環境影響評価のやり方とは?環境省のふたつの検討会に参加中

2012.10.31
活動報告
再生可能エネルギーとして風力・地熱を使った発電施設の建設が具体化しつつあります。この環境影響評価(以下、アセス)はどう行えば良いか、どのくらい時間をかけられるのか。

この課題に対処するため、環境省総合政策局は「先行実施モデル事業」として、風力発電などのアセスのモデルづくりと、新しくアセスの手続きに加わる「配慮書」のつくり方とその手続きを検討しています。

また、「基礎情報整備モデル事業」としてアセスに利用できる環境基礎情報データベースづくりが企画され、ふたつの検討会が同時進行で進められています。NACS-Jは両方の検討委員となり、毎月行われる会議や現地検討会に参加しています。

アセスは何段階にもわたる複雑な手続きですが、「準備書」やその前の「方法書」、それより前の段階でつくられることになる「配慮書」というものでは、ゼロオプションと呼ばれる何も設置しない場合との比較や、「代替案」という複数案を示した上での比較があります。

No530-furyoku-tsinetsu-2.jpg▲風力発電のタワーは近寄るとこんなにも巨大。何本も並べても大丈夫な場所は自然の中では限られている。

検討会では、アセスを具体的にどのようなものにすれば良いか、どうやってつくるのかを示さないとなりません。また、アセスに利用すべき環境基礎情報とは「日本のどこにどのような自然性が残っているか」であり、希少種の生育生息情報が含まれます。

希少種情報の多くはNACS-Jや多くの研究者のような民間が自ら続けてきた地道なフィールドワークで得たものが多く、このような情報がむやみに社会に広がっては盗掘やモラルのない写真撮影などで失われてしまう恐れがあるため、情報の所持者によって厳重に管理されています。

しかし、保護に素早く使えなくてはせっかく集めたり持っている意味が薄れてしまう情報でもあり、これらの難しい課題に取り組んでいます。

(横山隆一/常勤理事)

No530-furyoku-tsinetsu-1.jpg▲福島滝根風力発電所

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