第5回IUCN世界自然保護会議(WCC)では、どんな会議が行われているのか。
保全研究部の道家です。
世界自然保護会議がどのような構成になっているのか、ここで少し解説したいと思います。
世界自然保護会議は、IUCNの今後4年間の方向性を決める4カ年計画や、組織運営に関わる理事の選出、規約改正などIUCN加盟団体に関係の深い「会員総会General Assembly」と、
世界各地から政府・企業・研究者・NGOなどが集まり最新の知見や取り組み、ネットワークづくりの機会となる「フォーラムWorld Conservation Forum」の部分に分かれています。
(写真右:教育とコミュニケーションの専門委員会の会合の様子)
9月11日までは、8時から11時まで会員総会を開催し、11時から21時まで、フォーラムのイベントが続きます。フォーラムは1日に70近くものイベントが開かれます。
その種類も様々で、
プレゼンテーションを写しながらパネルディスカッションなどを行う「ワークショップ」、
15名程度で円卓を囲みながら事例を共有し合う「ノレッジカフェ」、
参加者に様々な体験(ワークショップ)を通じながら知識を得てもらう「コンサベーションキャンパス」など。
その他にも、プレスカンファレンス、パビリオンイベント、記者会見、展示などもあります。
今回初の取り組みとして、オピニオンリーダーによるパネルディスカッションを主眼とした「ワールド・リーダーズ・ダイアログ」が、一日の総括イベントの形で開かれます。
今回の特徴は、「Nature+」というスローガンのもと、一日ごとにテーマを設定して、関連しそうなテーマを持つイベントを集約していることです。9月7日はNature+ climate(気候変動)、9月8日はNature+ food(食料)、9月9日はNature+ development(開発)、9月10日はNature+ people & governance(人々と統治)、9月11日はNature+ life(自然)という形です。
例えば、9月7日の午前中の会員総会で、気候変動に関するこれまでのIUCNの取り組み、今後4年間の方向性(IUCN4カ年計画2013−2016)をピックアップして検討し、11時からのフォーラムで気候変動に関する現場の課題や、政策、研究などを共有議論し、翌日の総会につなげるという形で、プログラムが有機的につながっているのです。
(写真左:生物多様性条約事務局の担当者との情報交換)