第5回IUCN世界自然保護会議(WCC)の会場の様子をレポート!
保全研究部の高川です。
私も4日間の日程で世界自然保護会議に参加しています。今回は各イベント・会合の詳細は安部や道家から報告が続いていますので、今回は写真を使って会議場の様子を伝えたいと思います。
↑入り口のあるメインホールの様子です。絶え間なく人が行きかい、立ち止まってその場で熱心に議論を繰り広げている人たちもよく見かけます。休憩スペースも豊富でコンビニもあり、かなり快適です。「パビリオン」と呼ばれる展示スペースもこのフロアにあります。
←こちらは「SPECIES(種)」のパビリオン。絶滅危惧種の保全のあり方などについてIUCNやさまざまなNGOが議論の場を設けています。各国レッドリストの発表などもありました。人通りが多い場所だけにすぐに人の壁ができてしまいます。
←このようなパフォーマンスも見かけます。これは島内のカンジョン村に建設が予定されている米軍基地建設への反対運動です。現地では座り込み運動も行われていますが、会場内イベントでは残念ながらほとんど取り上げられていない状況です。
→こちらは「ナレッジ カフェ (Knowledge cafe)」の会場の様子。大きな部屋にいくつかのテーブルが置かれ、各テーマに関心を寄せる参加者が自由に議論を行います。私も農業生態系のPES(生態系サービスへの支払い)制度についての議論に参加し、インドやニカラグア、南アメリカ、イギリスなどさまざまな国の農業事情を聞くことができました。高齢化の進む日本の農業の実態には皆驚かれていました。ちなみにこの形式でのイベントはIUCN-Jの発案だそうです。
→続いて「コンサベーション キャンパス」の様子。4~8時間を使って主にワークショップ形式で参加者のスキルを向上させることを目的としたものです。「愛知ターゲット達成にむけた国家指標作り」「保護区の効果検証ツールを使いこなそう」「開発計画に生態系サービスをどう組み込むか」などといったテーマで開かれています。ひたすら英語で議論となるため、参加するには少し勇気が必要です。
←本会議場に併設されている展示ブーステント内の様子。Googleやナショナルジオグラフィックのブースなど視覚効果抜群のブースもあるものの、ワークショップ発表予定者が”ついでに展示”していることも多いのか質の高いブースが少ないのが残念です。地元韓国からの展示ブースも多く出ています。
このようにさまざまな形式のイベントが行われており、朝の総会も含めると毎日13時間以上も会議場内に缶詰です。少しでも和やかに自由に議論を、ということで夜になるとワインが振舞われるスペースもあったりします。
イベントの合間にはさまざまな人たちと思わぬ会話が弾むことも多く、今日は私はイスラエルとエストニアの自然保護NGOの実情を聞いたり、アメリカのブッシュ政権以降の絶滅危惧種回復計画の状況などについて聞くことができました。
単なる相互情報提供の場ではなく、新たな会話とアイデアと人脈を生み出す場であると強く感じる毎日です。