第5回IUCN世界自然保護会議(WCC)―公海を世界遺産に指定しようという動きがあります。
引き続き保護プロジェクト部の安部です。
公海=どこの国にも所属していない海、の中でも重要な場所を世界遺産に指定しようという動きがあります。
「第5回IUCN世界自然保護会議(WCC)― 公海の保全に関するワークショップに参加しました」で書いたように、広大な公海の保全対策は遅れているので、進捗があるのは喜ばしいことです。
9月11日のパビリオンのイベントにてUNESCOの世界遺産の中でも海のプログラムを担当されているFanny Douvereさん(右写真)からその試みが発表されました。
その後、2010年に世界遺産に指定されたハワイのパパハナウモクケア(Papahnaumokukea Marine National Monument)の公園管理者のAurani Wilhelm氏(左写真)から事例紹介がありました。
パパハナウモクアケアという長い名前を持つこの海洋保護区は世界最大級です。全長約1900キロに及ぶとても広い海域をカバーしています。
(参考記事→http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=2010080503&expand#title)。
ここには広大なサンゴ礁やラグーンが広がり、海山と呼ばれる深海の山々も存在します。ハワイの先住民にとってもこの地は精神的に大事な場所です。
生物多様性条約でも話題になったよう、先住民の権利と生物多様性保全は密接に関連しています。
さて海の担当者の世界は狭いので、Aurani Wilhelmさんにも今回のIUCN WCC会議のあちこちのイベントでお会いしました。世間話の中で、日本の話をしていて、私がつい「日本の海洋保護区はとても小さいからハワイがうらやましい」とこぼしてしまったところ、「どんな小さな取り組みでも、全てはそこから始まるのだから諦めたらダメ」と諭されてしまいました。
その通りですね。いただいたこの言葉を大事に、これからも海の保全に取り組んでいきたいと思います。