自然と調和した地熱発電を目指すならば、アセスの短縮は逆効果。
保護プロジェクト部の辻村です。
昨日29日に、環境省の第5回「自然と調和した地熱開発に関する検討会議」に出席し、
自然保護の立場から意見を述べてきました。
この会議は、横光克彦環境副大臣のもと、環境省の各局長が構成メンバーの内部勉強会で、
これまで4回にわたって地熱事業者からのヒアリングを実施してきたものです。
今回は、自然保護団体としてNACS-J、WWF-J、野鳥の会の3団体と、
温泉事業者の代表者が呼ばれました。
細野環境大臣が先週、閣議後の記者会見で、
地熱や風力発電にかかる環境アセスメントを短縮する方向性を示したことについて、
NACS-Jは、アセスメントの重要な目的は合意形成をはかるこであり、
期間を短縮することで、この合意形成が充分でなくなる可能性があることの危惧を指摘しました。
アセスメントが長引くのは、手続き上の問題ではなく、
調査の手抜きや情報の隠匿、対話になっていないパブコメなどに問題があります。
自然と調和した地熱発電を目指すのであればなおさら、一方通行にならない、
対話を丁寧に繰り返し、事業の計画段階の初期から、情報を全て開示しつつ、
リスクも共有し、計画を立案していく丁寧な対応が必要ですし、
この部分を丁寧に進めることが、結果的に、スムースな進行に繋がると思います。
▲宮城県大崎市鳴子温泉郷の北側にある鬼首(おにこうべ)地熱発電所。栗駒国定公園内にある。