ユネスコエコパークに登録された綾の照葉樹林の調査に行ってきました。
保全研究部の小此木です。
ユネスコエコパークに正式登録された宮崎県綾町に7月19日-20日に出張してきました。毎月1回、綾の照葉樹林プロジェクトの九州森林管理局・宮崎県・綾町・(財)日本自然保護協会・てるはの森の会の5者が集まり実施している調整会議と調査のためです。
今回はあいにくの雨の中でしたが、大森岳に向かう林道に設置している気温と湿度のロガー(計測器)のデータ回収に行きました。大森林道沿いには頂上付近の1095m~245mまで5台のロガーを設置していますが、今回は先月回収できなかった下の方2台のデータを回収しました。
(→写真は先月撮影した1095mのもの)
これらのロガーは2004年から継続して設置しており、8年間、1時間おきの気温と湿度を計測し続けています。
また、同時にそれぞれの地点に植生調査のためのプロットを設置し、毎木調査、植生調査を実施しています。
これは、上部の森林帯に相当する落葉広葉樹林が頂上付近にわずかに見られ、常緑広葉樹林と温帯落葉樹林が接する移行部に位置するため、生物地理学的、生態学的に重要であるばかりでなく気候変化に対する森林の変容を見る上でも重要な山岳地だからです。
今回回収したデータの解析はまだしていませんが、2009年までのデータをグラフ化したもの、及び各標高での組成の違いなどはSISPAに解析結果を掲載していますので、ぜひご覧になってください(SISPAの解析結果はこちら)。
また今回の調整会議では、8月18日に開催されるシンポジウム「ユネスコエコパーク~綾がつかんだ世界との絆~」についても話題にあがりました。