オスプレイの訓練ルートが日本の重要な保護地域とイヌワシ・クマタカやライチョウなど絶滅危惧種の生息地を飛行することへの懸念に対するコメントが報道されました。
広報・編集部の鶴田です。
米軍の新型輸送機MV22オスプレイ。7月23日、山口県の米軍岩国基地に陸揚げされ、沖縄の普天間基地に配備が懸念されています。米軍の環境審査報告書ではオスプレイの訓練に使うとしているのは沖縄に加え、本州、四国、九州と奄美諸島付近の計6ルート。さらに中国山地のルートも使うとみられています。
この飛行訓練ルートが日本の重要な自然保護地域やイヌワシ、クマタカ、ライチョウなどの絶滅危惧種の生息域を通過することが分かりました。阿蘇、中部山岳、上信越、尾瀬、磐梯朝日、十和田八幡平など日本を代表する国立公園の上を爆音、爆風とともに飛行するという計画なのです。
NACS-Jでは、SISPA(戦略的保全地域情報システム)を用いて、オスプレイの飛行訓練ルートを、公表されている国内の自然環境情報と照合分析した結果と悪影響を懸念するコメントを発表しました。
28日夜、共同通信で志村保護プロジェクト部部長のコメントつきで配信されました。
◎日本自然保護協会の志村智子(しむら・ともこ)・保護プロジェクト部長の話
オスプレイの訓練は地上60メートルでも想定されており、騒音や風圧の影響が自然環境上重要な地域で深刻になる。特に、繁殖率や個体数の減少が著しいイヌワシやライチョウの限られた生息地と飛行ルートが重なり、絶滅の危機に一層追いやってしまうに違いない。ルートは国民の共有財産である山岳地帯の国立・国定公園の核心部も貫いており、見過ごせない。政府は、米国の都合だけで進めさせずに、生物多様性保全の観点からもよく協議すべきだ。
●47トピックス/共同通信「【オスプレイ、イヌワシ生息地を飛行】12県で生息地重なる 絶滅危惧種への影響懸念」
今朝29日の朝刊で各紙が報じています。
●中国新聞「オスプレイ飛行ルートに希少鳥生息地 環境団体が分析」
●東京新聞「オスプレイ、イヌワシ生息地飛行 絶滅危惧種へ影響懸念」