分かっていたジュゴンの生息を過小評価―沖縄防衛局の辺野古アセスの矛盾が記事になりました。
保護プロジェクト部の大野です。
沖縄県知事が普天間基地移設候補地の辺野古の埋め立てに関する意見の/提出が
3月27日となる予定ですが、
3月24日にこんなニュースが配信されました。
【防衛局がジュゴン確認】昨年5月、アセス対象外 報告書「行動範囲を注視」
普天間移設で生息影響も
辺野古アセス評価書では、ジュゴンについて複数年調査がもとめれていたため、
2011年3月までの調査記録で沖縄防衛局が影響評価をしています。
一方で2011年6月に地元市民グループが、大浦湾奥部で食み跡(ジュゴントレンチ)を見つけており、
沖縄防衛局も2011年4月以降も現地調査を続けているので、
どういう記録がとれているのかが気になるところでした。
共同通信のねばり強い情報開示請求によって、個体C(若い個体)が
2011年5月にも大浦湾で、また2011年9月には古宇利島海域で確認されており、
個体Cの行動範囲は「非常に広範囲で、今後の行動範囲を注視する必要がある」という
記述がされています。
評価書を公表した2012年1月には、この事実について沖縄防衛局自ら分かっていたうえで、
「個体Cの主な餌場は嘉陽地先の海草藻場と考えられます。
このため、・・(略)・・辺野古地先の海草藻場の一部が消失することに
よる影響はないと予測」
「ジュゴンの各個体の生息範囲や行動生態、餌料環境に対する影響は
ほとんどなく・・(略)・・沖縄県全体のジュゴンの個体群の維持に対する影響はほとんどないと予測」
という過小評価予測をしていたことになります。
コメントにあるように、この若い個体は安定的な海草藻場の餌場を探っているところで、
次の世代をつくれるかが、沖縄のジュゴンの絶滅を防ぐ上で極 めて重要です。
基地をつくってジュゴンの生息場所の選択肢を減らしてはならないのです。