2012年3・4月号(No.526)
特集:震災後の生態系の変化を追う
今月の表紙
シュンラン
福島県の里やまで最も早く咲き始める花のひとつがシュンランだ。芽吹き前の雑木林で、落ち葉の間から花茎を伸ばし、控えめに春を告げる。シュンランは各地の低山などに普通に生育し、昔から「ジジババ」などと呼ばれて親しまれてきた。しかし、園芸目的の採取、里やまの荒廃などによって減っているようにも感じられる。自作の広角マクロレンズで撮影すると、控えめな印象が一変、春の日差しを浴びて、全身で喜びを表しているかのように見えた。(2009年4月福島市にて撮影)
★特集:震災後の
生態系の変化を追う
東日本大震災からの復興、福島第一原子力発電所事故による放射線との戦い、原発に依存しない社会への転換…この一年、多くの難題に日本全体が直面しています。
今回の特集では、震災・原発事故後の自然環境、生態系にどのような変化が起きているのか、被災地域で調査活動を始められている方々に、何に注目して調査を行い、それによってどんなことが見えてきているか、を語っていただきました。
- 砂浜から低地の生態系の回復は進んでいるのか
- 湿地環境や鳥類に何が起きていたか
- 地下水位を大きく変えた地殻変動
- 干潟や藻場は回復するのか
- 放射性物質は山から川へ移動しているのか
- 放射能物質は昆虫に蓄積されているのか
- 森の中で放射性物質はどこにあるのか
★今日からはじめる自然観察
花ごよみをつくってみよう
(佐藤恭子/神奈川県植物誌調査会)
あちこちで花が見られる季節になってきました! あなたのお気に入りの場所でどんな花が咲いているか、1年を通してノートにメモしてみませんか? 一覧表にすれば、あなただけの「花ごよみ」ができあがります。
★塗って送って 伝えよう日本の自然
東北応援シリーズ ④ 山形県・鳥海山
今号とじ込みの絵ハガキに、オリジナルの色を塗って自然への想いを込め、お友だちやお知り合いに送ろう!
くわしい内容は、こちらでご覧いただけます。
- 辺野古アセス評価書に意見を提出
- 国有林の今後の形が見えてきました
- 東日本大震災津波被災地での調査開始
- 2012年度の自然観察指導員講習会日程が決定
- 沼田賞授賞式で活動の様子を伝えてもらいました
- 新宿御苑ネイチュア・フィーリング自然観察会参加者&リーダー募集
- りそな銀行特定寄附信託「応援の絆」取り扱い開始
- P.N.ファンド発表会を開催
- 自然しらべの結果がまとまりました
- 赤谷の森でマップづくりを開始
- 地域戦略づくりのためのシンポ開催&ガイドブック完成
★シリーズ新・生命の輪
シカの増加で変わる森の生態系
(關 義和:東京農工大学大学院連合農学研究科
宇都宮大学農学部附属里山科学センター
奥田 圭:東京農工大学大学院連合農学研究科)
地球上のあらゆる種類の生物は、他種の生物とさまざまなかかわりを持ちながら生きています。このかかわりを通して地域特有の生態系が成り立っていますが、もしある地域でひとつの種の個体数が著しく増加した場合、生態系全体にはどのような影響が表れるのでしょうか。
★NEWSハイライト
- 気付かれない間に絶滅の危機がせまる水生生物
- 日本紅斑熱が増加
- 海岸林の効果をシミュレーション
★生物多様性はビジネスの礎
「自然と共に、を社員全員で共有していきたい」
(セイコーエプソン株式会社
CS品質保証・環境推進部 部長 田中規久さん
機器要素開発・技術統括部 IJ要素開発部消耗品環境推進責任者 小池尚志さん
CS品質保証・環境推進部 主査 平島安人さん)
★読者の広場
掲示板/お便り/次号予告・新入会員/Nature Navi
★BOOK&PRESENT
最新号のみご希望の場合、1500円(送料込み)でお買い求めいただけます。お申し込みはNACS-J管理部まで。