モニ1000里地調査の専門家会合を開きました。
こんにちは、保全研究部の高川です。
100年間の調査を目指している「モニタリングサイト1000里地調査」の専門家会合をコアサイトの宍塚の里山(茨城県)にて12日に開催しました。
この調査サイトは土浦市とつくば市の市街地に挟まれた場所にあり、全国でも最も長く6年間以上の調査をしている場所です。
当日は現地の調査員の皆さんの全面協力のもと、検討会委員・NACS-Jスタッフ・環境省担当官の総勢約30名で現地視察と議論を行い、これまでの調査データから読み解ける環境変化について確認しました。
その結果、現場での保全の努力がニホンアカガエルやカヤネズミの回復としてデータにも現れてきていることが確認できました。
一方で、ため池の富栄養化が進行して濁った水になってきていることや、ススキ草原がマツの林に置き換わってきており草地・林縁性のチョウが減少傾向にあることなど、今後注意が必要な結果も明らかとなりました。
専門家と現地調査員の間で活発な議論が行われ、今後の具体的な保全のあり方についてもたくさんの意見が出されました。
そして同時に、今の市民調査モニタリングの方法でも現場での環境変化を捉え、具体的な保全策を考えるのにも役立つデータがきちんと得られることが確認できました。
現在全国約200ヶ所の調査サイトで宍塚の里山と同じ方法で調査が継続されており、ようやく3年分(約60万件)のデータが得られています。
今後全国の里やまの保全にとって極めて重要なデータとなると期待しています。