絞り込み検索

nacsj

生物多様性条約事務局長に就任されたディアス氏が来日。

2012.02.28
活動報告
icon_tsuruda.jpg広報・編集部の鶴田です。

ディアス氏

本日2月28日、日本自然保護協会にて、新任の生物多様性条約事務局長ブラウリオ・フェエラ・デ・スーザー・ディアス氏(Braurio Ferreira de Souza Dias)と日本の市民(NGOや企業)16名との意見交換会が行われました。ディアス氏は、ジョグラフ事務局長の後任で、これまでブラジル政府代表として生物多様性条約の策定当時からかかわられてきた方です。
ディアス事務局長は、2月15日に着任されてから2週間程しか経っていませんが、これから、COP10で決議された愛知ターゲット、名古屋議定書を「実施」(Implementation)していくことに注力することが重要だと、強調されていました。特に課題としては次の4つを挙げられました。
1.名古屋議定書の発効に現在90カ国以上が署名した。来年にも50カ国の批准を達成し、名古屋議定書の発効を目指す。
2.各国からの資金協力の取り付けを進めていきたい。市民セクターから懸念が示されていた革新的資金メカニズム、市場ベースによる解決手法(生物多様性オフセットなど)について、先住民の権利の保護も考慮しながら進めていきたい。
3.(省庁やNGOなども含む)セクターを越えた主流化を推進する。
4.愛知ターゲットを実施するために必要なコストの特定を進める。どれだけの費用が掛かるのかを専門家パネルにも協力を求めながらCOP11に向け明確にできるよう進める。

ディアス氏へプレゼン

日本のNGOからは、にじゅうまるプロジェクト(IUCN-J)や普及啓発(CEPA JAPAN)、RIO+20への取り組み(リオ+20と生物多様性実行委員会)などを紹介し、意見交換を行いました。
(←愛知ターゲットの実行を可視化する「にじゅうまるプロジェクト」や日本のNGOのCOP10での取り組みを説明する、NACS-J保全研究部の道家。)


ディアス事務局長は、RIO+20について、「最近出されたゼロドラフト(合意文書の骨子)にも、生物多様性が強調されていないことに懸念がある。食糧安全保障や漁業についても記述があるが、農業や海洋の生物多様性の保全についてもっと強く関与させないといけない。COP10議長国でもある日本政府とも協調してその重要性を理解してもらい、文書への反映を目指していきたい。」と述べられました。

東北の復興についても意見交換の中で触れられ、「自然災害は起こるものであり、その被害を完全に防御することは難しい。古くからの経験や知恵を掘り起こし、減災という観点で防災を考えることが重要であり、自然からいろんなことを学ばないといけない。」と指摘されました。
最後に「日本の市民活動の経験をもっと世界に広めて欲しい」と激励され、COP11開催国のインドの市民セクターとの橋渡しの協力も求められました。
今回は3日間で、日本の外務省、環境省、農水省、市民セクター、経団連と意見交換の場を回られるとのことでした。
議長国日本が率先して、COP11に生物多様性保全の成果を報告できるよう、それぞれが想いを新たに感じた会合でした。
20120228group.jpg

前のページに戻る

あなたの支援が必要です!

×

NACS-J(ナックスジェイ・日本自然保護協会)は、寄付に基づく支援により活動している団体です。

継続寄付

寄付をする
(今回のみ支援)

月々1000円のご支援で、自然保護に関する普及啓発を広げることができます。

寄付する