宮城県南三陸町に予備調査に行きました。
保全研究部の小此木です。
4月から本格的に調査を開始する東日本海岸調査。
2月23~24日、東日本海岸調査の一環として行う人と自然のふれあい調査のための予備調査に行って来ました。
行き先はモニタリングサイト1000里地調査のサイトにもなっている宮城県南三陸町の波伝谷地区。
ここは東日本大震災後に行方不明になっていた飼い猫がセンサーカメラに写っているのが見つかり、無事保護されたニュースもあった場所です。
今回は南三陸町ふるさと研究会の会長をなさっている、後藤さんに現地を歩きながら、震災当時の状況や、地域の自然と暮らしのことなどお話を伺いました。
波伝谷地区はその名前にもある通り、波が伝わってくる谷であり、今回の津波でも一戸を除き、すべての集落が流されてしまったとのことです。
写真では少し分かりにくいですが、この撮影地点の足元まで波が押し寄せたそうです。
波から逃れた地域の方は、もっと高台の小さな神社の社の前で暖を取り一晩夜を明かしました。
写真が後藤氏。後ろの黒いのが当時火を焚いた後とのこと。
海岸部も堤防が壊されたり地盤が沈下して海になってしまっているところがたくさんあります。
ただ、海の中の自然は豊かで、ワカメや様々な海藻類が育っているようです。
漁師の方も共同で養殖を再開するなど少しずつ活気を取り戻しています。
今後、ふれあい調査の方法などを検討し、太平洋岸の波伝谷のような集落でこれまでの地域の暮らしの中での海との関わり、これからどのようにしていきたいと思っているかなどを明らかにしたいと思います。