沼田賞授賞式で原発計画から自然を守る活動の様子を伝えてもらいました。
1月22日、東京の清澄庭園にて第11回沼田眞賞の授賞式・記念講演会を開催しました。
受賞した「長島の自然を守る会」への記念の楯の授与の後、代表の高島美登里さんからこれまでの活動をお話しいただきました。
上関原子力発電所建設計画に対して、研究者の協力のもと、希少な生物の存在など周辺の自然の重要性を明らかにしてきたこと、それでも計画が続いてきた苦悩が胸に迫るお話しでした。
続いて活動に協力してきた研究者として、京都大学教授の加藤真さんからは、周辺の海岸環境がほとんど失われてしまった今、長島周辺が瀬戸内海の原風景としていかに貴重かを、鳥類が専門の飯田知彦さんからは、カンムリウミスズメとオオミズナギドリの視点から周辺海域が瀬戸内海の心臓部といえるほど高い生物多様性が保たれていることをご説明いただきました。
最後のパネルディスカッションでは、地元の祝島で暮らす山戸孝さんから、島の暮らしや原発計画に対する島民の考えなどについて話題提供していただき、研究者や地元との連携を軸に、今後どうあるべきかを話し合いました。
会の活動が、地元では当たり前にあるものだと思っていた自然の価値や、地域の魅力、誇りを気付かせてくれたという意見が印象的でした。
会では、現在凍結されている開発計画を中止させるとともに、地元の暮らしと心のつながりをつくっていきたいということです。
今後ますます活発な活動を期待します。
授賞式講演会の録画はこちらでご覧いただけます。
(田村尚久/管理部)