2012年1・2月号(No.525)
特集:地域が輝く 生物多様性戦略づくり
今月の表紙
クロモズク
撮影・解説 新井 章吾
クロモズクは、西日本の3カ所から生育が報告されている日本固有の希少種です。山口県上関町で、今まで利用されてこなかった海藻類を調査する過程で、祝島などに新たな群生地が発見されました。冬の季節風の波によって海底の礫が反転し、大型のホンダワラ類が生育できない環境に、この種は生育しています。体の大きな捕食者にとっては隠れる場所がない、クロモズクの明るい群落では、 キュウセンなどの幼魚やキヌバリが泳ぎ回っています。
★特集:地域が輝く
生物多様性戦略づくり
全国各地で進む「生物多様性地域戦略」づくり。
生物多様性が着実に守られ、暮らしを支える基盤となるのは、地域の力・市民の力です。
地域が輝く未来像を描き、地域にかかわるすべての人の行動を促す戦略づくりにはどんな鍵があるのか、各地からの最新情報をお届けします。
・生物多様性地域戦略ってどんな戦略?
・千葉県市川市・地域の緑と水辺をつないで守る
・徳島県・知事にあてた提案づくり
・岡山県西粟倉村・森に寄り添う地域づくり
・NACS-J生物多様性の道プロジェクト・6地域の生物多様性地域戦略づくり
・地域戦略づくりのガイドブック完成
・NACS-Jシンポジウム開催
・NACS-J企画展開催
・自然を見守る目を地域づくりに活かそう
★今日からはじめる自然観察
漂着生物を探しに浜を歩いてみよう
(中西弘樹/長崎大学教育学部教授・漂着物学会会長)
海辺の自然観察といえば夏をイメージするかもしれませんが、漂着物探しは一年中楽しめます。特に日本海側では、冬がおすすめ。さまざまな漂着物のうち、今回は漂着する生きものの観察について紹介します。
東北応援シリーズ 3 福島県・磐梯山
今号とじ込みの絵ハガキに、オリジナルの色を塗って自然への想いを込め、お友だちやお知り合いに送ろう!
くわしい内容は、こちらでご覧いただけます。
★NACS-J 活動クローズアップ
・地域の自然本来の環境との向き合い方を考える
・地方環境事務所の全権限の地域行政への移譲に反対意見提出
・沿岸海域の保全を進めるため委員会立ち上げ
・赤谷の自然林復元実験開始
・綾ユネスコエコパーク
・第11回沼田眞賞授賞式・記念講演会開催
・日韓両生類・市民モニタリングシンポジウム開催
・中池見湿地整備工事計画に働きかけ
・福島自然観察指導員講習会開催決定
・日本生態学会大会でAKAYAプロジェクトの自由集会開催
・自然しらべ2011
・にじゅうまるプロジェクトスタート
★シリーズ新・生命の輪
見えないところで樹木をつなぐ
森を生み出すキノコのチカラ
(奈良一秀/東京大学大学院新領域創成科学研究科准教授)
キノコの語源は「木の子」といわれます。私たちの祖先は木の周りにたくさん生えてくるキノコを見て、樹木とキノコの親密な関係を感じとっているのでしょう。しかし、この親密な関係が科学的に明らかになったのはごく最近のことなのです。
★NEWSハイライト
・外来植物スパルティナ・アルテルニフロラ愛知県の2カ所で見つかる
・ジョロウグモに放射性銀が蓄積
・「国連生物多様性の10年」キックオフ!
★生物多様性はビジネスの礎
「自然もステークホルダーの一員だと、
社員全員の価値観として共有していきたい」
(株式会社ロペライオ/代表取締役 早水彰さん)
★読者の広場
掲示板/お便り/次号予告・新入会員/Nature Navi
★BOOK&PRESENT
最新号のみご希望の場合、1500円(送料込み)でお買い求めいただけます。お申し込みはNACS-J管理部まで。