第4回アジア太平洋地域生物多様性観測ネットワーク(AP-BON)ワークショップに参加しました。
保護プロジェクト部の安部です。
12月2~3日に環境主催で開催された第4回アジア太平洋地域生物多様性観測ネットワーク(AP-BON)ワークショップに参加しました。アジア各国から各分野の研究者が多く集まりました。
渡邉綱男環境省自然環境局長のあいさつの後、「AP-BONの成果と課題について」、AP-BON共同議長であり九州大学の矢原徹一教授からお話がありました。
AP-BONの目的はアジア地域のネットワークを作り、生物多様性と生態系の情報を集め統合・分析し共有できる形にし、生物多様性を保ちながら持続可能に自然資源を利用できるよう貢献することです。
その後、生物多様性の評価と指標に関し、ASEAN生物多様性センターから「ASEAN生物多様性アウトルックについて」、
中静透先生(東北大教授・NACS-J評議員)から「日本における生物多様性総合評価について」について報告がありました。
続いて、「種/遺伝子」、「森林」、「淡水」、「海洋」のグループに分かれ、各分野で具体的にどのようにデータを把握し、分析し、共有していくか、熱いディスカッションが行われました。
私は海洋グループの議論に参加しましたが、どこにどのようなデータベースがあり、どの国にどのような協力者がいるかを把握するだけでも大変です。また海洋分野は浅い海だけではなく深海や海底地形も含むので調査にも一層の努力が必要です。
最後に4つのグループの進捗の報告がありましたが、淡水と海洋の分野はここでも他の分野に遅れを取っていると痛感しました。やはり生き物が簡単に国境をも越えてしまう水面の下の調査は、本当に大変だということをあらわしていると思いました。
今後AP-BONによる書籍の出版や各分野のデータベース作成などの活動が予定されています。日本からもどのようなデータが集められるのか、アジア各国の研究者の協力に期待をしています。
←ASEAN生物多様性センターによる発表
写真2:海洋グループの議論の様子