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なぜ防衛省は提出を急ぐのか? 沖縄辺野古の環境影響評価に対する抗議について報道されました。

2011.12.29
活動報告
icon_ohno.jpg保護プロジェクト部の大野です。
昨日28日に辺野古の環境影響評価について抗議声明を出したことについて、
今朝29日の沖縄タイムスの社説で、
「環境への配慮によって国民の健康で文化的な生活を確保するとした環境アセスの精神を踏みにじっている。日本自然保護協会が抗議したのは当然である。」
と報じられています。
[評価書未明搬入]姑息なあまりに姑息な [沖縄タイムス 2011年12月29日 09時28分]
http://www.okinawatimes.co.jp/article/2011-12-29_27941/
29日今夜も22時を過ぎてから、現地で評価書を見張っている市民グループから、「沖縄防衛局が県庁に向かっている」という情報が飛び込んできています。
なぜ防衛省がこんなにも年内の提出を急いでいるのか。対米公約化した期限が年内だから、という報道も多いのですが、もうひとつ急ぐ理由が思い当たります。
今年2011年4月に環境影響評価法が改正され、知事が評価書へ意見を述べる際に「環境大臣に助言を求めるように努めなければならない」という努力義務が新しく追加されました。
この規定の適用が来年2012年の4月からなのです。知事意見の表明期限は評価書の提出から90日以内。年内に県が受理すると知事意見が3月中となり、環境大臣の助言を求める可能性を避けられるのです。もし埋め立てられれば貴重な生態系が破壊されるのは明らかで、環境大臣が助言を求められれば、当然相当に難しい判断を迫られるでしょう。
2012年10月のCOP11まで生物多様性条約の締約国会議の議長国でもある日本政府は、本来なら前倒しででもこうした規定を適用すべきところですが、もし、こうした規定を避けることも意識して県に年内受理の強要を迫るのであれば、国は世界的な生物多様性保全の公約と自ら成立させた法律、そして地域の意志も踏みにじることになります。
この件は、12月26日の信濃毎日新聞の
[来春環境相助言求める努力義務 普天間アセス急ぐ理由 環境団体「駆け込み」疑念]
の記事中でもコメントしています。
姑息な…という新聞見出しに同感する人は多いのではないでしょうか。
新年には県も国も心を新たに、「姑息」と言われない姿勢を見せて欲しいと思います。

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