IUCNアジア地域自然保護フォーラム初日~湿地プログラム
保護プロジェクト部の安部です。
27日から韓国・仁川のSongdoで行われている
IUCNアジア地域自然保護フォーラムに道家とともに出席しています。
Songdoという地名を漢字で書くと松島になります。
もともとはその名の通り美しい松林が広がる場所だったのですが、
開発されてしまい、写真の通り生きものの影がほとんどない場所になっています。
←会議場の周囲の風景
←会議場Songdo convensiaの建物
初日は「異なる立場のステークホルダー(関係者)間での対話」と題した、
IUCNの湿地プログラムのセッションに出席しました。
特に国境とは関係なく国境を超えて分布している水域の問題に焦点をおいた企画でした。
最初にIUCNアジア事務所の4名の方々から取り組みについて簡単な紹介があり、
その後、スリランカ、マレーシア、バングラディッシュでの取り組みについて紹介がありました。
特に興味を引いたのはスリランカでの取り組みでした。
河口での砂採取が川にも海にも影響を与え、
水質を悪くしていたのが問題だったのですが、
2年間かけてヨーグルトづくりなどの農業を代替事業として行うことができるよう、
地域の人たちに教えたことにより、砂の採取が止まったとのことです。
プレゼンの後は、地域での対話が中央政府での対話に反映されなければならないのに、
なかなかそのようにはいかない、利害関係のあるステークホルダー全てが
興味を持ってくれない場合はどうしたら良いか、など活発なディスカッションが行われました。
いずれの問題も時間をかけて、解決していくしかないという結論に達しましたが、
資金が途絶えてしまうとプログラムの継続が難しいという問題は難点として残ってしまいました。
これはNACS-Jにとっても大きな課題です。
その後、IUCN WCPAのアジアの戦略(2011-2014年)についてのイベントに出席しました。
NACS-J理事でもある吉田正人
(IUCN日本委員会会長)の発表風景です。
急遽、環境省の方の代打で東北の震災による
沿岸の被害について説明しているところです。
初日の最後はレセプションで終わりました。会議はまだまだ続きます。
←レセプションでの韓国の環境大臣の挨拶