電力エネルギーの展望について、NACS-Jの見解をまとめました
日本における電力エネルギーの展望についての考え(見解)(PDF/188KB)
2011年8月1日
日本における電力エネルギーの展望についての考え(見解)
公益財団法人日本自然保護協会
福島第一原子力発電所事故を受け、わたしたちの社会は、エネルギー政策のあり方を見直し、新たなエネルギーシステムを具体化するべきときにいます。
日本自然保護協会は、これまでも発電施設による自然環境の破壊回避のために発言してきましたが、生物多様性保全と持続可能な社会構築の観点から、今後のエネルギーシステムについて、以下のように考えます。
1)原子力発電によるエネルギー供給を計画的になくすこと
原子力発電は、持続的で安全なエネルギー供給とは考えられません。新設増設せず、計画的になくしていくべきです。
原子力発電は、安全な管理技術を追求しても、事故時には人類をはじめとするあらゆる生命に対し、不可逆的な悪影響を長期的に広範に与えます。二酸化炭素の排出が少ない発電方法であっても、燃料は枯渇する資源であり、放射性廃棄物は将来世代に大きな負担だけを残します。
2)省エネルギーを第一にすすめ、地域の自然にあったエネルギーシステムへ転換すること
省エネルギーを第一にすすめ、独占的な大企業からのエネルギー供給から、地域の自然環境にふさわしいエネルギーシステムへ、市民も関与のもと転換すべきです。
エネルギーの需要は、節電・省エネ・電気以外のエネルギーを組み合わせることで、持続可能な再生可能エネルギーで賄うことができると考えます。
以上
ご参考
会報『自然保護』2011年9・10月号特集「自然を壊さずにエネルギーをつくる」より
<座談会>生物多様性を損なわずに、地域が再生可能エネルギーを選択するには?(PDF/3.0MB)
大熊孝(新潟大学工学部名誉教授・NACS-J理事)、飯田哲也(環境エネルギー政策研究所)、横山隆一(NACS-J常勤理事)
- 地域資源を活用した再生可能エネルギーへの挑戦
- 全国に先駆けてつくられた長野県版 ” 影響想定地域マップ”
- 地域主導で再生可能エネルギーを導入するための組織が誕生