COP10特別セミナー & 沼田眞賞授賞式
先週の土曜日(1/22)、東京・江東区の清澄庭園・大正記念館で
NACS-J主催のイベントを午前と午後に分けて行いました。
午前は、COP10特別セミナー。
昨年10月、愛知県名古屋市で開催された第10回生物多様性条約締約国会議(COP10)の
成果と今後の課題についてNACS-J職員が以下のテーマで解説しました。
・生物多様性条約新戦略計画(通称:愛知ターゲット)
・海洋・沿岸
・保護地域
・世界植物保全戦略
・CEPA(コミュニケーション・教育・普及啓発)活動
・自治体と生物多様性、都市と生物多様性
・企業と生物多様性
・里やま(農業と生物多様性、持続可能な利用)
・市民参加型モニタリング
会場からは、
「森林の保護地域の話があったが、もっと草地についても考えていくべき」、
「まだ生物多様性保全のための地域戦略が少ないのが現状。今後の自治体の動きが重要」
などの意見が出されました。
今後、NACS-Jでは地域戦略策定のためのガイドラインをつくっていく予定です。
また、地域戦略を各地でつくっていくためには、各地域の会員の皆さんの力が必要となります。ご協力・ご支援をどうぞよろしくお願いします。
NACS-Jがまとめた資料は、今後ウェブサイトで公開予定です。
午後は第10回沼田眞賞授賞式と記念講演会でした。
今回受賞された佐々木克之さん、森林塾青水(せいすい)、NPO法人こんぶくろ池の自然の森にゆかりの方々も、受賞のニュースを聞いてたくさんご来場くださり、
椅子を追加しても席が足らないほどの盛況となりました。
▲記念講演会(左)と、今回受賞された皆さん(右)。左から「森林塾青水」の清水英毅さん、「NPO法人こんぶくろ池自然の森」の森和成さん、佐々木克之さん、田畑貞寿NACS-J理事長。
干潟が持つ「浄化」という機能の重要性を明らかにし、
三番瀬の埋め立て、中部国際空港の建設、そして諫早湾干拓などの
開発で干潟を失うことが、どれだけ大きな影響を与えるか、
科学的根拠をもとに社会に訴え続けてきた佐々木克之さん。
群馬県みなかみ町藤原集落で、元入会地の野焼き・茅刈りを復活させ、
国内でも数少なくなった「茅場」を今の時代に持続的に保全するしくみをつくろうと
10年前の有志7人から、今年102人・社のネットワークへと進化を続けている
森林塾青水の皆さん。
千葉県柏市の市街地に残った貴重な湧水と湿地の自然
「こんぶくろ池」を守ろうと、市民が中心となり、
柏市や周辺の大学、企業も巻き込んで保全・管理のしくみづくりを目指す
NPO法人こんぶくろ池自然の森の皆さん。
お3方とも、特定の専門分野などの枠におさまることなく、社会の中で自然保護を実践し、活動の支持を広げてこられた方々です。
続く懇親会では、受賞された皆さん全員が奇しくも、
在りし日の沼田眞会長と何らかのつながり・接点を持たれていることが分かり、思い出話に花が咲き、
先人の皆さんの思いがこうして脈々と引き継がれていることを肌で感じて不思議な感慨に浸るひとときとなりました。
足をお運びくださった皆さま、ありがとうございました。
また次回の授賞式にも、ぜひご参加ください。
(渡邉聡子・高津紅実/広報・編集部)