MOP5 本会議場で議論スタート!!
今日からMOP、第5回カルタヘナ議定書会合が始まりました。
10時から本会議場で議論がスタートしました。
8時半にNGOルームに集まり、今後の運営体制について共有。いよいよ、会議の本番です。力を合わせMOP5/COP10の成功にむけ頑張っていこうと思います。私(道家)の方は、締約国会議の交渉の様子を中心に出来る限り情報発信をしていきたいと考えています。
さて、MOP5についてですが、初日はとても良好なスタートを切ったといえると思います。それは、これは最初のカルタヘナ議定書会合(MOP1)であるクアラルンプールでの会議から作業部会が設置され、6年かかって中身を交渉し決めてきた「責任と救済(修復)に関する補足議定書」の文案が今日の2時(深夜)に固まり、ようやく合意にいたったこともあります。
本会議ではジョグラフ事務局長も、名古屋で生まれたこの「赤ちゃん」を皆で大事に育ててほしいと話してました。 COP10-MOP5の主要3議題のうちの一つが無事に採択されたこともあり幸先の良いスタートです。
その本会議。慣例通り、ドイツがMOP4議長国として挨拶。議長国を開催国である日本に引き継ぐセレモニー(議長が物事が決定するたびにならす木槌?を手渡す)がありました。2年後ドイツに引き継ぐまでこの議長国を日本が担うことになります。
議長国の挨拶では、
「2年間のドイツの取組みへの評価と感謝。多くの課題が進んだこと、この成果をMOP5の成果につなげていきたい。生物多様性のリーダーシップを引きついでいくことを約束します。国際生物多様性年に日本でこの会議を開催すること、農林水産大臣として参加することを嬉しく思う。農林水産業、里地、里やま、里海。水田の生物多様性の貢献している。着実な成果を上げることの重要性、責任と救済に関する議論。合意に至ったことに敬意を表し、実りある会議としていきたい」と決意を日本語で語っていました。(本会議中、英語で聞いたので、筆者のメモによります)
その後愛知県知事、名古屋市長のスピーチ、UNEPアキムシュタイナー事務局長の挨拶代読などがあり開会式は無事に終了しました。
その後の会議進行に関しては、順調に報告者、クレデンシャル確認、作業部会の設定と議長の指名(スロベキアとマラウィから1名ずつ)、予算に関するコンタクトグループの設立が宣言されました。
そして本会議のある意味メインですが、責任と修復に関するフレンズ会合の報告。ここで、本日深夜2時に文書の採択が行われたことが、国際条約としての法文の体裁・文言の確認、6カ国言語への翻訳などの手続きをへて、正式に本会議で採択のプロセスに移ります。この議定書は「名古屋・クアラルンプール議定書」という名前になります。
フレンズ会合の共同議長もその成果を嬉しそうに報告。この交渉の為にいろいろ苦労をしいた家族に対する「責任と救済(修復)」をどうするか考えますというジョークも。
午後は、作業部会が開催されました。「責任と救済(修復)」に関わり深夜まで作業していた人たちが多かったためか、比較的静かな初日となりました。
第一作業部会ではあまり発言もみられないなど静かな展開でしたが、明日から本格的に議論がスタートする見込みです。第一作業部会のポイントを一言でまとめると「カルタヘナ議定書の実行体制の評価と検証」。コンプライアンス(遵守)委員会の強化やカルタヘナ議定書の戦略計画を議論することになっています。カルタヘナ議定書の今後に焦点をあてているのが第一作業部会と言えます。
第二作業部会では、遺伝子組み換え生物のリスクアセスメントなどの課題が話されています。
(道家哲平/保全研究部)