COP10 いよいよ開幕しました。
いよいよCOP10の開幕です。ドイツのヨハンフラッシュバーグ氏から、議長役を委ねられて議長の采配を振るうのは松本環境大臣です。開会式ではフェルナンド・カサス(メキシコ)や、ティモシー・ホッジス(カナダ)両議長からABS-WG9の報告と提言がなされました。
曰く「非公式協議会合(Open-ended Informal Consultation Group略称IGC)を開催し、今週金曜日までに議定書本文をまとめること」、ということでABSの最終(にしてほしい)ラウンド開始です。ICGの議長は引き続き、カサス氏とホッジス氏です。
作業部会(WG)の設立も原案通り採択され、WG1の議長にはコジマ・ハフラー(オーストラリア)、WG2の議長にはダマス・ルナ(メキシコ)が選出されました。
第1作業部会の議題
5.1陸水における生物多様性
5.3山地における生物多様性
5.2海洋・沿岸における生物多様性
5.4保護区
5.5生物多様性の持続可能な利用
5.6生物多様性と気候変動
6.2乾燥及び半湿潤地域における生物多様性
6.3森林における生物多様性
6.1農業における生物多様性
6.4バイオ燃料と生物多様性
6.5侵略的外来種
6.6世界分類学イニシアティブ
6.8誘導措置
第2作業部会の議題
4.12010年生物多様性目標の進展と、地球規模生物多様性概況
4.2改訂戦略計画と生物多様性目標と指標
4.3条約の運営 ー 2011年-2022年の期間の作業計画(締約国会議等の開催頻度を含む)
6.9新しい緊急の問題
4.4資源動員戦略
4.10資金メカニズム:効率とガイダンスに関する第4次レビュー
4.5科学と技術の協力とクリアリングハウスメカニズム
4.6技術移転と協力
4.8コミュニケーション、教育、普及啓発(CEPA)と国際生物多様性年
4.9他の国際協定や国際組織やイニシアティブとの協力、利害関係者の巻き込み:ビジネスと生物多様性、都市と生物多様性、南南協力を含む
4.7世界植物保全戦略
6.7第8条(j)と関連する条項
予算に関してもコンタクトグループの設立が宣言され、コンラッド・ハッテ(アンティアグアバーブーダー大使)が選出されました。
第2作業部会は、まずは現行の戦略計画やGBO3についてと、新戦略計画についてです。
現行戦略の評価に関しては、多くの国が失敗を表明(中国などは自分たちの国では非常に大きな進展があったと強調)、日本はJBO(生物多様性総合評価)の作成やIYBを通じた普及啓発の取組み、民間参画ガイドラインの作成、生物多様性国家戦略を三度も見直したことを強調してました。ブラジルなどは、ライフウェブイニシアティブに対するドイツ政府の貢献を褒めちぎり、他の先進国も同様の資金援助をという裏のメッセージがありそうです。
各国の修正案をみることはできないのですが、GBO3の活用(キャパシティビルディングの必要性)やGBO4の取り扱いなどで意見が集中してそうです。
新戦略計画は、基本的には戦略計画本文への意見が集中しているようでした。高い目標にはそれに見合う実施手段(特に資金供与)が必要と主張する構図はSBSTTAのときと変わらず、といったところですが、オプション①の弱めの目標を主張する国が多く、EUもややトーンダウン、意欲的な目標を強く主張しているのは現段階ではノルウェーと言えそうです。
良いニュースとしては、SBSTTAや国連ハイレベル会合よりもさらに多くの国が日本のNGOが提案した国連生物多様性の10年には賛同を求めていました。
最後に、議長から、コンタクトグループの設立が提案され、ファーゼル(イラン)とカステラス(ノルウェー)が共同議長として明日の夕方から開始することとなりました。
午前の本会議では、NGOからの声明を読み上げることがなかったため、火曜日の午前に再度本会議を開催するようです。
早速5つの会議(第1、第2の作業部会と、予算と新戦略計画に関するコンタクトグループ、ABSの交渉会合(ICG))が設定され、会議のはしごが明日から始まることになります。
(道家哲平/保全研究部)