絞り込み検索

nacsj

COP10 25日「Joint Action ニッポンの宿題 と「日本の開発行為に対するNGO共同宣言」

2010.10.25
活動報告

議長国日本は、今後、2012年までの2年間、地球規模で「自然と共生する」世界を実現するために今後の条約の関連活動へのリーダーシップをとることになります。
しかし、日本政府は国内でその立場や戦略目標と矛盾した数多くの政策を行っています。開発問題をかかえる現場からの声を届けたいと、JUCON (Japan-US Citizens for Okinawa Network) 事務局が呼びかけ人となり、25日、「ニッポンの宿題」と題した共同アピールを行い、NGO共同宣言を出しました。
NACS-JもこのアクションとNGO共同宣言に賛同しています。10月6日に発表したNACS-Jのポジションペーパーでも、「3.新戦略計画の目標への14の意見・提言」の中で、⑥『生物多様性の宝庫であるサンゴ礁や沿岸域の破壊行為を止める』という意見を出しています。

生物多様性のホットスポットである沖縄本島北部東海岸の辺野古沿岸海域と大浦湾を埋め立て、米軍の海兵隊飛行場とする事に代表されるように、日本政府自らが、「今、守らなくてはいけない!」と議論されている豊かな生物多様性を保つ環境を次々と破壊してしまう開発計画があります。

ニッポンの宿題

そこで今一度、ジュゴンがすむ美しい辺野古の海の基地計画や、カンムリウミスズメのいる上関の原発計画、高尾山の道路建設、諫早湾を閉め切ったままの有明海の問題など、日本政府が抱えている足元の課題を私たち・市民で整理し、日本が本当の意味で世界に尊敬されるリーダーシップが発揮できるよう、示したい!と、25日、ブースの立ち並ぶ白鳥地区のシンボルツリーもとに各団体が集まりました。

 
以下に共同宣言の全文です。

(大野正人/保護プロジェクト部)


 

「CBD-COP10開催国日本の開発行為に対するNGO共同宣言」

生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)の議長国である日本政府は、「ポスト2010年目標(新戦略計画)の原案」パンフレットを下記サイトで公開している。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kankyo/seibutsu_tayosei/pdfs/post2010.pdf

この原案(2010年9月26日現在)には、次の5つの戦略目標が掲げられている。
 戦略目標A・生物多様性の損失の根本原因に対処する
 戦略目標B・生物多様性への直接的な圧力を減少させる
 戦略目標C・生物多様性の状況を改善する
 戦略目標D・生物多様性の恩恵を強化する
 戦略目標E・能力構築などを通じて条約の実施を強化する
その上で、《全ての人々が生物多様性の価値を認識する、生物多様性の価値を政府の計画に組み込む、生物多様性に有害な措置を廃止する》など20項目の目標をあげている。

また「ミッション(短期目標(2020年))」として、次の2案を掲げている。
案1 生物多様性の損失を止めるための効果的かつ緊急な行動を実施する
案2 効果的かつ緊急な行動を実施することにより、2020年までに生物多様性の損失を止める

さらに「ビジョン(中長期目標(2050年))」として、《この戦略計画のビジョンは、「自然と共生する」世界であり、すなわち「2050年までに、生物多様性[自然資本]が評価され、保全され、回復され、そして賢明に利用され、それによって健全な地球が維持され、全ての人々に不可欠な恩恵が与えられる」世界である。》と記している。
このための取り組みを「里山イニシアティブSatoyama Initiative」と名づけて、COP10議長国である日本が地球規模で今後の条約の関連活動に盛り込もうとしている。

しかし、日本政府は国内でその立場や戦略目標と矛盾した数多くの政策を行っている。生物多様性のホットスポットである沖縄本島北部東海岸の辺野古沿岸海域と大浦湾を埋め立て米軍海兵隊飛行場とする事に代表されるように、生物多様性を次々と破壊してやまない。また、外国における政府開発援助(ODA)などで、この戦略目標に反する様々な事業を行っている。
日本発の取り組みとして「里山イニシアティブ」など、あたりさわりのない政策に終始し、貴重な生態系の破壊を放置して生物多様性破壊事業を止めない事は問題である。

次頁以降にこれらの生物多様性破壊事業を具体的に列記し、COP10参加国や参加NGOに知らしめるとともに、直ちに当該事業を見直し、COP10に掲げた戦略目標を達成するよう日本政府に求める。(また、当該事業の中止を求めることに賛同するNGO団体の署名も添付する。)

2010年10月25日
「COP10におけるNGO共同宣言」・賛同者一同

 

以下<賛同者  国内63団体、海外7団体、個人2名><事例賛同19団体>略

 

詳しくは JUCON(Japan US-Citizen’s for Okinawa Network)事務局

http://jucon.exblog.jp/
mail : jelf@green-justice.com 

前のページに戻る

あなたの支援が必要です!

×

NACS-J(ナックスジェイ・日本自然保護協会)は、寄付に基づく支援により活動している団体です。

継続寄付

寄付をする
(今回のみ支援)

月々1000円のご支援で、自然保護に関する普及啓発を広げることができます。

寄付する