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26日 新戦略計画のコンタクトグループ と海洋のコンタクトグループ

2010.10.27
活動報告

26日10:00から新戦略計画のコンタクトグループが始まりました。twitterで実況です。

昨晩は目標6の文章が固まった、という大変な会議だったよう。今日はなるべく簡単なところから議論が始まっておりスムーズに進んでいる。
資金提供の部分の文章で中国やアフリカから異論がでる。EUとは意見が合わない。少し頭を冷やしてまた後で検討することにする。
資金の部分は発展途上国については大問題。後にしましょうと言われてもアフリカや中国がだまっておらず議論が続く。結局決まらず。

新戦略計画の実行と先住民についてas appropriate(適切な)と言う言葉が入るなど弱めに。一方でキャパシティビルディングの部分では先住民と地域コミュニティを入れるように途上国の方からの強い主張。どんどん文章が長く複雑になってきたのでまた後で検討することにする。
・・・と思ったらさっぱり物事が進まないことに対しアフリカが強い怒りと懸念を表明する。ブラケットが多すぎる、いつまでブラケットに入れておくんだ、と。

ラムサール条約、世界遺産、CITES、渡り鳥の条約、植物遺伝子資源の条約などその他の関係する条約は(other relevant agreements)CBDの新戦略目標が実行できるように貢献することを考慮すること、という文章が提案されている。
それに対しその他の関係する条約と(other relevant agreements)と」いう言葉はあいまいすぎる。もっと具体的に関係する条約の名前をもっと特定すべきというリクエストがアフリカから出る。
新戦略計画の実行には科学的情報、モニタリングや指標の制定が重要であるということを強調する文章を入れることが提案された。新戦略目標について次までに各国よく検討するように議長に言い渡され、最後にミッションの部分の議論を少し・・・

と思ったら長引いています。
13:00からの海のコンタクトグループが始まったので移動しました。

多くの方が昨晩から今まで裏で働いてくれたからかなり進んだものの今日も長い道のりである、と議長が始める。海のコンタクトグループ開始。
決議文からCCMLAR「南極の海洋生物資源の保存に関する委員会」を抜きたい日本、入れたいEU、日本が挿入した他の部分と一緒に削除するならCCMLARを抜いても良いのではないかとオーストラリア。日本が黙り込んだまま議長に返事を促されると冷静にみていたタンザニアが立ち上がる。

議論の内容はともかくとして1つの文章が20行にも及ぶのは長すぎるので2つに分けるべきであると。議長も笑いながら賛成して少し頭を冷やすことにして別の部分にうつることにする。
「海の保全が進むよう、すでに情報を持っている国際機関等に呼びかけて情報を集約させよう」ということが骨子のシンプルな文章が、各国が思惑に応じて単語を足したり引いたりするのでまたたった1つの決議案について30分以上の議論となっている。
15:00からの作業グループに間に合うよう一時閉会。

18時の再開までにカナダをはじめ多くの国々が宿題を背負っています。

夕方18時から海のコンタクトグループ再開。議長から4ページにわたる最後の難題が渡された。今晩中に終わらせるそう。
昨晩渡されたプリントと今日の午後のプリントと夜渡されたプリントがごちゃごちゃになり混乱中す。海は全部で67の決議があるので大変。飲食禁止の会議室でバナナを食べ始める人、チャットやブログ更新をする人、さまざま。

先週は文章を短くわかりやすくする流れがあったが、今週に入ってから各国が譲れない一言を入れるようになったため決議文が長文化する傾向。そして長すぎるからと2つに分けると微妙の意味の違いが出てきて、もめる。そして小グループができる。またひとつ小グループができた。
ギリシャ代表がティータイムだと言って自主的に一人で休憩を取る。新戦略計画の関係者と打ち合わせか?

この議長さんはあと少しあと少しと言って出来ない学生のお尻をたたくタイプです・・・。あと少しで休憩と言いながらもう1時間以上会議が続いています。ブラジルとカナダ代表によると過去のCOPでは朝6:30まで会議が続いたそう。

 
次のSBSTTA会議の前に地域で教育用のワークショップをしようというだけの文章がどんどん膨れあがり20行に達し、ブラケットの数がどんどん増えていく・・・この部分は小グループに託されることになる。22時まで休憩! 今夜は明日のサイドイベントの準備もあるので、脱出。。。

(安部真理子/保護プロジェクト部)

 

本会議場に入ると最初に手にする公式グッズにマイボトルがあります。小学生が一枚一枚、生物多様性にちなんだ絵が描かれています。裏側には子どもたちからのメッセージがありました。「日本は季節ごとにいろんな虫や植物がみられます。そんな生きものを大切にしていきたいです。」
子どもたちに恥ない決議を採択できるかどうか、時間も限られてきています。

新戦略計画のコンタクトグループが17:20から始まり、twitterで中継しました。合意済みのビジョンに対して、先送りしていたオプションが3つあるミッションの議論が続きました。

相変わらす、野心的に思い切りをつけるか、やんわりいくかで議論。「2020年まで」と言い切るか、生物多様性の損失を「止めるため」なのか「「止めることにむけて」なのかを議論。
スイスが最終合意にいたるミッションを今晩中に起草することに。それにあたって、盛り込むべき要素や、フレーズなどを各国から意見を聞いている。

目標3,目標5・・・・とそれぞれブラケットになっているところを詰めている。目標3は、生物多様性を損失する助成金、補助金にかかわる範囲が、CBDだけにとらわれず、他の関係する条約など(例えばWTO)まで広げられる文言になった。

 
目標5「森林を含む生息地の損失の減らす」。ノルウエーとEUが森林へのこだわりが強い。IUCNが折衷文案の起草を今晩中にすることになる。

数値設定がもめる目標11「保護地域」。メキシコが「国家の管轄下(under national jurisdiction) 」という文言を提案してきた。公海を含まないなら、海域の保護地域を受け入れるという意図。目標数値はさておき。議論白熱中に、レセプションのアナウンスがながれ、一同、冷笑。
目標11。中国は、公海については生物多様性条約ではなく国際海洋条約の範囲だと主張する。日本はメキシコ提案の「国家の管轄下」の削除を支持するが、ブラケットとして残し持ち越し。ちなみに、陸域15,20,25%、海域6,10,20%はブラケットのまま。 a

目標14「生態系サービスの享受」。こちらのCGメンバー、部屋が変わったからなのか、携帯ゲームしたり、スナック菓子食べる人がいなくなった。終わらせようという意気込みなのか。
「生態系サービスへの公平なアクセスが全ての人々のために確保される。」のお「公平なアクセス」をNZが削除提案、メキシコ・日本が同意。これがあるかないかで何が違うか。例えば、複数の国をまたぐ大河川の利水などを想像するといい。
目標14、結局合意に至らず、小グループでの検討になった。ブラケットは減らず、もしろ増えているような気がする。ハイレベル会合を控え、進展がないではないか。

目標18「伝統的知識の尊重」。オプションが2つあるくらいブラケットが大きい。大きな違いは、伝統的知識による慣習を国レベルで法的担保をもとめるか、どうか。これも小グループでの議論に委ねることに。おっと!IUCNが戻ってきて目標11「保護地域」の議論にもどった。

目標11「保護地域」。用語の使い方としての修正案のようだ。今、一時閉会。20:30再開で、それまでに小グループでの議論をして持ち寄ることに。その議論にはNGOは入れない

新戦略計画コンタクトグループ再開。戦略計画のビジョン、ミッション、個別目標などは付属書で、それらを総括するのが決議文となるが、それをひとつづつ詰めていく。項目が増える可能性のあるテキストがいくつもある。終わりがみえてこないが、先週よりは同意表明があるだけ進展があるという。

こうしてコンタクトグループの議論の場にいると、その加盟することの意味や会議ごとに決議をすることの意味の大きさを感じる。条約って侮れない。それだけに生物多様性が崖っぷちにあるという認識のうえに決議をまとめていってもらいたい。

オプション3つもあるミッションの議論が続く。強い目標「2020年までに損失を止める」(EU)、弱い目標「[2020年までに]損失を止めることにむけて」(日本を含む他の国)という対立構図。EUはこの強い意志で合意しているので引けない。他国が気が引けるのは何故か。

そろそろ日付が変わる。目標2「国家勘定や政府の計画に生物多様性の価値を組み込む」ことに 「適宜(as appropriate)」と一度外れていた言葉を中国がまた戻すよう発言し、議論が立ち戻ることに一同、ざわめく。

(大野正人/保護プロジェクト部)

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