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COP10 28日 NGOの動きと第1作業部会(海洋含む)

2010.10.28
活動報告

28日、いよいよ残すところあと2日。
朝刊でNACS-J道家のコメントが2紙に報道されました。
読売新聞 いのちの環白鳥発 に「NGOの主張 会議に活」とNACS-J道家が、CBDCOPでのNGOの意見や主張による影響力などを解説した囲み記事。

http://chubu.yomiuri.co.jp/tokushu/cop10/cop101028_1.htm

毎日新聞 「首相、お願い連発」、20億ドル途上国支援についてNACS-J道家のコメント「資金援助が政府開発援助予算の組み替えではなく、新たな行動であることを明確に説明しなければ国際社会は納得しない」 と交渉の打開を得られるか懸念と掲載される。

http://mainichi.jp/chubu/shakai_sports/news/20101028ddq041040016000c.html

 9:00からはNGOミーティングです。
怒涛の会合が続く中、NGOのメンバーもも気力を振り絞り、ハイレベル、作業部会、コンタクトグループ、フレンズオブチェアの会合の山に、分担して張り付き、情報交換をしながら後ろ向きの発言や、なかなか対立して動かない意見同志の国の政府に働きかけを続けています。ラフマニさん

COP10の開催国日本からCOP11の開催地のインドのNGOへバトンのモニュメントを手渡しました。プレゼンターはNACS-J道家。そのうしろはCOP9開催のドイツの方。

ラフマニさん曰く「インドのNGOこそ多様性があるんだ」と開催へ向けて意気込みを語りました。

会議場のトイレには新たにこんな張り紙が。

(大野正人/保護プロジェクト部)
       

さて、10:00からは第1作業部会です。今日は、生物多様性と気候変動とバイオ燃料が議題。海洋分野はCRP文書の作成完了が今日の午前中の予定なので午後の議題となることになりました。
       
さっそくジオエンジニアリング関係の科学的情報を集めること、生物多様性だけでなく関連する社会・経済・文化への影響も収集事項に含めること、という内容で1つ決議文が決まりました。

森林が持つカーボンストック機能(気候変動のミチゲーションとして)の文章に発展途上国という単語が入っていることに対し、ガーナが異議を唱え、続いてNGOも異議。小さなグループで討議のもと、気候変動の議題は午後のWGに持ち越されることとなりました。国の森林と気候変動に対する対策が調和するようガイダンスを作成するという文を入れるか入れないかが残された課題のひとつです。

これにて休憩。以下twitter中継からです。

15:00より再開。生物多様性と気候変動のCRPの文書の続き。2つのブラケットを残したまま採択される。これらについては明日の本会議(プレナリー)に向けて非公式な協議が舞台裏で続けられることになる。

もう1つは先住民や地域の参加のもと気候変動が生物多様性に与える影響をモニターするという文意のものが二択のまま残る。これについてはもう5日間も話し合っているのに結局決まらなかった。

次はバイオ燃料。文書のタイトル自体がブラケットに入っている。文書はhttp://www.cbd.int/cop10/insession/?tab=1のUNEP/CBD/COP/10/WG.1/CRP.12からDL可。

有能な議長さんも疲れています。パラグラフ3-6まで「採択する」という代わりに「削除する」と言ってしまい、一同笑う。

バイオ燃料やジオエンジニアリングに関することはセンシティブ。合成生物学に関する情報をCBDが締約国や関係機関から集めるという部分についての文言の改変について途上国を中心に反対の声があがり、会議を一時中断して関係各国と議長が部屋の片隅に集まって議論中。なかなか決まらない。

17時、バイオ燃料の会議一時中断中。次に控える海分野の関係者も部屋の片隅で最後の詰めを行っている。これまで合意しやすいところの合意を先に済ませ、これから CGで昨晩から議論してきたミッション修正案に突入する。生物多様性の損失を to halt (とめる) なのか、towards halting (とめることにむけて) なのか、by 2020 を言い切るかどうか。

EUの主張。ミッションステートメントは、重要だから端的に分かりやすいメッセージ性が大事。by 2020 を明確に入れるのは、政治的な意図によるもの。 という発言に対して、昨日の繰り返しだと議長は警告。 
アフリカ諸国代表のカメルーンが、「to halt 」を支持表明に転じた!! すべての締約国がコミットするには強い意志をしめそうと。効果的な資金投入が条件だが。

もうタイトルだけで20分ももめている、といら立つ議長。短く簡潔なタイトルにするか、言いたいことを全て含めるか。タイトルに農業という言葉が入ると自国の農業に影響が出ると心配するドミニカ。また演台の片隅に集まる関係国一同と議長。海の関係者も待ちくたびれている様子。

待ちくたびれた海関係者が続々と部屋の片隅に集まりコンタクトグループのようになっている。バイオ燃料文書のタイトルはまだ決まらない 。
30分以上の協議の結果タイトルは「バイオ燃料と生物多様性」に決定。文書の冒頭に一行を加えるという条件のもと。しかしまだ議題は終わっていない。しかし時間の制限によりいったんWGを終える。これからここで全体会議があり、また20時からWG再開となる。

第1作業部会再開。バイオ燃料関係から開始。コンタクトグループにて長く議論されたものについては再審議はしないというルールが発表された。海と沿岸の生物多様性の議論が再開。

10日前に開始されて以来、コンタクトグループおよびフレンズオブチェアにて50時間に及ぶ議論を続けてきたと作業部会議長に報告する海のコンタクトグループ議長。締約国および傍聴者の出席も良かったと述べる。

新ルールに従ってブラケットがついていない決議文は全て採択されました。いつももめる気候変動絡みの共同ワークショップの開催について大きな議論となっている。あと55分しか時間がない(今日は22時まで)と議長が警告する。毎回細かい修文の提案をするブラジルの2度目の発言を許すかわりに、関係国に演台の近くにきて話すのはいかがでしょうと議長提案。

10分経過。2つあった共同ワークショップ関連の文章を1つにする。最後にapproach(取り組み)をapproachesと複数にしてくれとインドネシアから提案があり、それを加えて決議が1つ無事採択される。確かに取り組みが1つなのか複数なのかでは大違い。

保護区に関しては各国センシティブになる。すでに採択されたはずの決議案について心配そうにメキシコが説明を求める。自分が知らないうちに1つだったはずの文章が2つになったと。

メキシコが事務局と直接話せばすむことと説明を断る議長。国連通訳との契約が22時までなので急いで欲しいと。明らかに焦る議長。

新戦略計画の目標6絡みのものは全てそのまま残すのはどうかと議長提案。EUは新戦略目標が採択されなかった場合のことを心配。文全体にかかったブラケットを外し、小さなブラケットは残すことで採択。

これにて無事、海と沿岸の生物多様性のCRPは採択!!うれしそうな海のメンバー一同。会場でハグしたり握手したりしている。

あと少しだけとCRP12(バイオ燃料)に戻る議長。しかしこれも満場一致で一瞬で採択!

立ち去ろうとする関係者を呼びとめる議長。WG1のL文書の全体のドラフト見直しに付き合って欲しいと。ページ毎にL文書の採択を進めて行く。

国名が抜けている、名前のスペルが違うなどの異議が少々でたものの、13ページにわたるDraft Report of Working Group 1 ITEM 5.1 ~5.6、6.1~6.8という報告書が無事採択される!各国から議長へのお礼が述べられる。

各国代表からのお礼が続く。議長と一緒に仕事が出来て楽しかった、また一緒にしたい。日本からもお礼が述べられる。インドからはホスト国の新幹線のスピードに併せて決議が早かったのでは? とジョークが言われる。これでは私の閉会の言葉が言えないではないかと笑顔の議長。

発言者のリスト(=通常は発言希望者は議長に申請し許可が得られないと話せない)を閉じてもまだ各国からお礼が続く。通訳のみなさん、共同議長のみなさん、事務局にありがとう、と議長の閉会の挨拶となる。会場からの拍手にて第1作業部会は無事閉会!

(安部真理子/保護プロジェクト部)

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