COP10 28日 新戦略計画のコンタクトグループ~第2作業部会
第1作業部会やハイレベル会合と、並行して10:00から新戦略計画のコンタクトグループでした。以下twitter中継からです。
目標13遺伝子の多様性。ABSが関係する目標なので、アフリカがいうように構造的な問題。どうするのかという、いくつもの動詞の選択肢があげられてきたが、折衷案がようやくまとまった。
18:30から始まった非公式会議は議長自ら参加しているコンタクトグループ。議長は「ここでは大臣の意志決定を促進するための議論をする」と始める。
戦略計画のコンタクトグループでは、目標20人的・資金を「10倍」なのか。フィリピンは国際協力や技術移転が進まなかったことが根本にあるのだから100倍を提案。日本、「数値目標が必要だがベースラインがなければ、現実的、科学的な目標とならない」と発言。
目標20について、ブラジルが具体的に「2000億ドル」という具体的な額を盛り込んだ文案を提示している。 議長は具体的な目標設定の議論は難しいと散会し、第2作業部会に持ち越された。
午後の第2作業部会は、15時ころから始まり、目標18まで進んでいた。先住民フォーラムから、修正文案が示され、各国から支持がされる。
議長が各国の意見を聞いたうえで、まだ議論の余地ありとして持ち越しになってしまった。そしたら、日本のユース代表から、強い意志と期限をいれたミッションにすべきと発言!!エクセレント!! 議長は「留意します」とこたえる。
今夕の非公式ハイレベル会合では、議長(松本大臣)から24時間以内に合意していく方向性を示したガイダンスを各国大臣に示していた。意欲的、明確であったが、すぐにABS議定書は絶望との情報が流れ、議長は今晩中につめ直すよう指示したようだ。今晩の世界政治の交渉次第だ。
(大野正人/保護プロジェクト部)
22時すぎ、第1作業部会がめでたく終わったので第2に移動。状況がわからないので困っていたらすぐ休憩に入る。なんと資金関係でもめて新戦略計画にはまだ触れてもいないそう。
この資金関係の議論は新戦略計画の目標20に関係している様子。コロンビアが懸念を表明。EU、ブラジルの新しい提案には感謝するが明日までに検討するのは無理があると。
ここで通訳サービスがここで終わる。フランス語の発言の内容がわかりません。
議長はこのWGでCRP文書を見直し全体会合にL文書という形で提出することが大事。ブラケットが残ったままで良い。(目標20については)2つのブラケットを入れたまま全体会合の方でL文書の検討をし決定すると答える。
今検討中のCRP29以外にあと2つの文書がある。今晩残された時間でどこまで出来るかわからないが最大限の努力をして3つの文書を終わらせたい、と議長。
CRP29はSTRATEGY FOR RESOURCE MOBILIZATIONIN SUPPORT OF THE ACHIEVEMENT OF THE CONVENTION’S・・ (http://www.cbd.int/cop10/insession/?tab=2からDL可)
(COP11)(COP12)と2つのブラケット入りの単語を付け加えて今晩の成果としたらどうかとオーストラリアからの提案があったが、どうやらフランス語圏の代表から通訳がないとついていけないと苦情が出たらしく明朝に持ち越せないかと議長が事務局に確認中。
会場が一時混乱したが議長から「座って。オーストラリア提案のみについてこのセッションでは話しをしたい。ボリビア、キューバなどの国々は通訳がいなくても続けたいと言う意思を示してくれてありがとう」と声がかけられ会議はまだ続く。
このプロセスは「今すぐ」始められなければならない。私たちは「今」始めなければいけない、と強いメッセージを発し続けるフィリピン。
ブラジル案(COP11まで持ち越し)EU案(COP12まで持ち越し)、オーストラリア(COP11とCOP12を併記)のどれにするのか今晩決めないといけない、議長が言う。
フィリピンはブラジルに賛同していると言う。しかし目標を立てるのはCOP11だとしても私たちは名古屋を出て、この部屋を出て、すぐに行動に移せるよう、行動は今必要だ、と強調。EUがしっかりした指標(indicator)の大切さを説く。
中国がフィリピン、ケニアに賛同の意を示す。今すぐ行動に移さなければいけないと強く信じる明確なindicator(指標)が必要。20個の目標についてはそれぞれ明確な指標とそこに至る方法方法論(methodology)が示されなければならないと中国が強調。
日本が発言。COP10の文書を見ると私たちが頼れる数値とはとても思えない。首相から説明があったように私たちはお金を出す。日本の納税者にお金の使い道を示さなければいけない。発展途上国が目標を達成できるようにしたいと思っている。また、お金の使い道に誇りを持っている。
ブラジルが発言。方法論やプロセスは大事ではあるが、ここに来るまでに私たちは多くの時間を使ってきた。洗練されたものではないとは言え数値目標も出来ている。それぞれの国が状況に併せて用いれば良い。私たちはここでプロセスについて議論してきたのではなということを、会議場の外にいる人たちにも示さなければならない。目標数値には納得できないものもある。しかしここで決断をすることが必要。明確なメッセージを発したい。この機会を失わないように活用しよう。
ノルウェーの発言。指標(indicator=目標の中の数値)がしっかりしないうちに次に進むことは出来ない。目標の議論、方法の議論を進めないまま次にうつるのは無責任だと思う。
次にフィリピンが発言。まず私たちが非常に混乱していることを理解して欲しい。発展途上国には資金援助が必要で、資金援助を得るためには目標が必要。目標を決めるためにしっかりしたプロセスがあったかどうかではなく目標があることが大事。以前は目標を設置することに同意していたのに今はプロセスや方法論の方が大事という各国代表の言葉が信じられない。非常に混乱している。今、ここで決断してほしい。
あと2人の発言を許す。その後で私が意見を言う、と議長発言。
ケニアの発言。指標や目標を作るにはデータが必要。それらを算出する根拠となるものは、私たちが毎日使っているコンピュータやファイルに入っているではないか。簡単に設定でき、合意できるはず。再度強調するがデータはパソコンや図書館の中にある。今後4年間のプロセスの中にそれを含めることが必要。フィリピンの発言のように締約国間にバリアがある。何とかそれを破らなければいけない。2020年になってそれまでの経過を振り返ることが可能となる指標を示さなければいけない。そのベースはあるのだから決められるはず。指標を決めれば達成する方法は見つかると思う。私たちはCOP11やCOP12の後にもその道を歩まなければいけない。数値をきちんと設定しないと振り返る機会を失う。経済成長など他のことにも数値はあるではないか。このCOPで指標を設定することが出来ると信じている。そうしればCOP11までの期間にも動くことが出来る。過去に設定した目標は改善することが出来る。この問題が解決できることを望む。
エクアドルの発言。ケニアに賛同する。もう12時を過ぎているのに母国語でもない言葉を使うのは気がひけるが。私たちの国は貧しい。そして地球の生物多様性や資源はあと10年ももたないということを締約国は理解して欲しい。発展途上国はプレッシャーを受けている。時間に制限がある。2020年までに生物多様性の喪失を止めなければいけない。
議長が発言。ブラジル、EU、オーストラリアから提案されたプロポーザルは今晩協働して明日、プレナリーに発表できるようにしてほしい。WGでそれを見直してからプレナリーに提出する。
EUが発言。この3、4時間の間にも物事は起こっている。方法論がどうなのかが問題なのではない。指標など何の関係もなく物事は進む。しかし良い指標があればしっかり変化を追うことが出来る。
議長が次のように締める。部屋を去るまえにプロポーザルを提出した代表と今までの発言国代表はここに来てほしい。この招待をもって今晩は閉会としたい。明日どのようにいつ動けば良いのか事務局に決めて欲しい。
事務局よりアナウンス。明日朝10時にWGを開く。予定通り、午後3時からも会合を行う。では明日10時に。ご協力ありがとう。
12:20閉会。
(安部真理子/保護プロジェクト部)