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COP10 29日 最終日まで続く新戦略計画の議論

2010.10.29
活動報告

昨夜24:20まで続き、今朝10:00に再開するはずの第2作業部会、少々遅れて開始しました。こう着状態は打開できるのか、twitterで中継です。

議長から報告、政府代表団の中にまだ新戦略計画の検討に関心を持ち続けている、と申し出があった。ブラケットがついている目標について作業を引き続き行いたい代表団がいるということである。従ってFOC(非公式、 open-end)を11時から別部屋で行い、L文書としてプレナリー(本会議)に提出したい。

資金供与メカニズムについても話し合いを続けたいが、小グループで話すのかどうか指示が欲しい。具体的にいえば、COP12に至るタイムラインを半分に短縮したい。このままでは根拠のない結論が出る可能性があるのでこのテキストをもう少し協議し妥協案を出したい。

次の45分間、CRP29の改定、資金供与、新戦略計画の3つ同時並行で議論を進めることになる。

新戦略計画のフレンズオブチェア(FOC)の会合部屋に移動。今日中に終わらせるとのことだが、日本時間の今日ではないのでは、とフロアに流れる噂……。

FOC議長より新戦略目標5,11,14,20、ミッション、パラグラフ22について話したいと、始める。15時がリミット。何かをプレナリーに出せるようにしたいというのがWG議長の指示だと考えているとFOC議長。ブラケットがついたままのものはそれで良い、そのままプレナリーに出したいと。

目標5から森林(including forest)という言葉が外されている。ノルウェーやロシア等、森林が多い国から懸念の声が出る。

目標11は陸域の17%、沿岸海域の10%を保護区にとなっている。中国が異議を唱える。多くの国はこの野心的な数値にハッピーとは言えないものの、ここまで来て戻れるとは思っていないと意見表明。中国代表、部屋を出る。

あと2時間しかないとアフリカ代表。こんな交渉しか出来ずにこの部屋を出てプレナリーに行くなんて私たちみなにとって恥ずかしい。なぜもっとフレキシブルになれないのか、といら立つ声。

2週間も話して、まだ話して、プレナリーでは私たちが結論に到達していることを期待しているに決まっている。

目標5に森林という言葉を復活させたいという意見が続く。昨晩はパラオなどの海に囲まれた森をほとんど持たない島嶼国から森林を特別扱いすることに反対意見があった。全ての生息地を平等に扱うべきであると。

目標5にincluding forestを入れることに対する合意が得られないのでまた消すことにする、と議長。20分間出ていた中国代表が戻ってくる。

ブラジルからはereas beyond national jurisdiction(国境の管轄を超えた海域)の扱いが海グループでも決まっていないのでここだけの議論で海洋保護区の%を決めるのは難しいという意見も。

中国は資源が限られている。お金が問題。数値を入れずX%に戻したいと言う。

目標14についてはブラジルが反対。safeguard for allのfor allが削除される。目標11についてはEUの提案により再び陸域保護区の17と20がブラケットに入れられる。

これ以上の異議があるものはプレナリーで唱えて欲しい。ここでこれ以上議論を続けることに何ら生産性はない。それまでに妥協とコンセンサスを試みて欲しいと議長。カナダなどから決めたことを戻すのは好ましくないと意見が出る。

あと2時間しかないとアフリカ代表。こんな交渉しか出来ずにこの部屋を出てプレナリーに行くなんて私たちみなにとって恥ずかしい。なぜもっとフレキシブルになれないのか、といら立つ声。

2週間も話して、まだ話して、プレナリーでは私たちが結論に到達していることを期待しているに決まっている。

この会議場の別の部屋で行われている別の交渉もある。本来プレナリーは短くあるべき。交渉事を全てプレナリーに持ち込むのは関心しない、アフリカに賛成する、とカナダ発言。小さな島嶼国は森を持ってないと言っているではないか。

満足でなくとも目標に森林という言葉が入っていないとそんなに困るのか。こだわる人の事情が知りたい。プレナリーで私たちがハッピーになれるのか。この小さな部屋ならばお互いに話しもできるがプレナリーのような大きな部屋ではできない。これは政治ではない。ここでは正直に事情を話して欲しい。

EUもカナダに賛同。しかし議長は今スクリーンに出ているもの(ブラケット入りの[including forests]、陸の保護区の17%、「for allは削除」)をこのまま持っていくと言う。とてもコンセンサスに到達するとは思えない。

14時まで休憩。残りの時間は目標5,11,14ではなくミッション等の議題にうつる。またABS等の他の議論との整合性もはかる。

再開しミッションについて議論中。コロンビアなどからはまだ異論を唱える代表に妥協を求める声があった。コロンビアなど陸25%、海15%の目標を本当は望んでいたのに現状で納得した。ぜひ他の国にもフレキシブルになってほしい。

EUより多少の追加の提案。financial resources(資金資源)をprovided(与える)に加えfinancial resources are mobilized(結集する)and provided(与える) と併記はどうかと。

また文の最後にsound science(しっかりしたサイエンスをベースにする)の部分をsound science and the precautionary approach(予防手段)と一言加えるのはどうかと。

これ以上時間を無駄にするのは耐えられないとの声も出てきた。ミッションについては合意。

目標16にうつる。ABS関連の事柄が微妙。国内法(national regislation)を入れたいなどという声が出た他、単語の追加リクエストが多くでる。

さてもう15時。15時にプレナリーが始まるのにどのようにして第2作業部会の議長に伝えるのか。。。しかし私たちFOCが持っているものが何であれ、これで終了。またこのグループで話すことがあるのかどうかも知らないがともかくこれで終了、とFOC議長が締める。不安そう・・・

 

(安部真理子/保護プロジェクト部)

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