2010年9・10月号(No.517)
特集:生物多様性条約COP10シリーズ
ここに注目! 5つのポイント
今月の表紙 アオウミガメ
アオウミガメはそれぞれがお気に入りの休息場所を持っている。このカメが休んでいたのはサンゴでつくられた岩礁に空いた穴の中。周りに群れているキンメモドキがカーテンのように岩礁を覆っていたので、最初は気付かなかったが、近づくと突然姿を現した。絶滅が危惧されるアオウミガメの保護には、生息海域のサンゴの保全とともに、産卵場所となる砂浜の保全が欠かせない。
CONTENTS
★特集: 保存版 生物多様性条約COP10シリーズ
ここに注目!5つのポイントいよいよこの10月、愛知県名古屋市で第10回生物多様性条約締約国会議(COP10)が開催されます。いったいこの会議で何が話し合われ、何が決まるのか。5つの注目ポイントを考えてみました。
point 1 新戦略計画の目標は結果がはっきり分かるものにしよう
point 2 保護地域は生物多様性が確実に守られる場所にしよう
point 3 海洋・沿岸・藻場の生物多様性を日本は緊急に保全しよう
point 4 科学的基盤を強化するため市民調査を政策につなげよう
point 5 人材と資金の能力を10倍にしよう
・ なぜ今、COP10に注目が必要か
(中静 透/東北大学教授・NACS-J評議員)
・ DATA / これが、新戦略計画のポスト2010年目標の原案だ
・ DATA / 3分で分かる生物多様性条約COP10のあらまし
・ 政府は議長国として何を目指す
~環境省 渡辺綱男氏と星野一昭氏に聞く
コラム・キーワード解説
(GBO3/ICCA/「国連生物多様性の10年」決議/カルタヘナ議定書/ABS/SBSTTA/WGRI/里山里海SGA/REDD)
★NEWSハイライト
・植物が過去6週間の気温を記憶!遺伝子を調整して季節に対応
・ラナウイルス国内でも6件 両生類に大量死の危険
・「オイカワ」国内産でも外来種! 遺伝子の多様性が減少
・ IUCNが小笠原を視察 オオコウモリなどの課題を示唆
★NACS-J活動クローズアップ
・モニタリングサイト1000里地調査 ついに全国規模の1年分のデータが集結!
・保護地域が広がる中、顕著となってきた制度上の課題
・AKAYAプロジェクトエリアに体系的な自然林復元試験地を設定します。
市民調査全国大会報告/『人と自然のふれあい調査はんどぶっく』完成/全国一斉自然かんさつ会報告/指導員講習会案内/連続セミナー「守るしくみを知る」案内/講習会・研修会の共催団体募集
★今日からはじめる自然観察
スズメバチと上手に付き合おう!
(福田博一/NACS-J教育普及部)
スズメバチを含むハチ類との接触による死者は、年平均30人以上になります。スズメバチの被害はなぜ秋に多いのでしょうか。スズメバチの生態や生活史から、これらの答えを知ることができます。
★くらしと自然のつながり再発見!
⑦ 東京都 明治神宮の森
森がヒートアイランドを
クールダウンする
取材・文/市川ゆかり
イラスト/さげさかのりこ
★シリーズ新・生命の輪・27
外来種と人間活動の影響が複雑に絡み合う
クビワオオコウモリとデイゴの関係
(中本敦/琉球大学非常勤講師 ・ 伊澤雅子/琉球大学理学部教授)
沖縄の県花としてもおなじみのデイゴ。しかし、そのデイゴは在来種ではありません。そして今、沖縄では、街なかに植えられたデイゴの花蜜を餌とする「都会のコウモリ」が増えています。デイゴとオオコウモリの複雑な関係について考えます。
★市民団体からのメッセージ
国定公園・青山高原の風力発電所増設に反対署名をお願いします。
(武田恵世/青山高原の自然を守る会)
★自然を守るあの手この手
研究者から見た市民調査の可能性
(長谷川雅美/東邦大学理学部生物学科教授)
★この問題、私はこう見る
商業登山・自然体験活動での事故…過去の教訓を生かせ。
(横山隆一/NACS-J常勤理事)
★読者の広場
掲示板/お便り/フォトライブラリー/次号予告・新入会員/Nature Navi
★BOOK&PRESENT