2010年3・4月号(No.514)
特集:感性に響く生物多様性の表現
今月の表紙 ユカタハタ
ユカタハタ(約35cm)とベンテンコモンエビ(約3cm)は、共にサンゴ礁の岩穴をすみかにしている。ハタが静止すると、エビが飛び乗って寄生虫や食べカスを食べる。おかげでハタは健康が保てる。このような行動をクリーニングという。
ハタは安全が確認できないと口を開けないので、エビが口の中にいるのを観るのは難しい。生きもの同士が長年かけて培ってきた信頼関係を観察するには、静かに待つしかない。
(撮影地:沖縄・慶良間諸島)
CONTENTS
★特集:
感性に響く生物多様性の表現
暮らしや文化を支えてきた生物多様性の価値を伝えるには、どんな方法が効果的でしょうか。
私たちの暮らしや仕事、教育や趣味の中で、生物多様性の価値や意味に気づくことができるきっかけをつかみ、できるだけ多くの人に伝えたい・・・・・・。日常の多彩な場面で、感性に響く伝え方の糸口を探してみましょう。
・江戸博物誌から学ぶ日本人の生物多様性感 (磯野直秀/慶応大学名誉教授)
・貴重な博物資料をネットで手軽に閲覧
・季語から知る日本風土の多様性 (宮坂静生/俳人・信州大学名誉教授)
・ミクロな生きものたちの暮らしぶりから見える多様性 (林 昌尚/NACS-J自然観察指導員)
・意外な場所や短時間でも生きものたちのつながりや自然の恵みを伝える(川上典子/NACS-J自然観察指導員)
・わたしのおすすめアイテム
★NACS-J活動クローズアップ
・全国各地のイヌワシ調査方法の基準を示し赤谷からモデルを提案する
・生物多様性の損失を止める環境アセス法の改正になるか
・「生きもの情報館」開設から1年!
・生物多様性条約・伝統的知識の保護作業部会に参加しました
2010年自然観察指導員講習会&研修会案内/全国一斉自然かんさつ会登録募集/「ネイチュア・フィーリング自然観察会」参加者&観察会リーダー募集/第15回プロ・ナトゥーラ・ファンド助成成果発表会開催/第9回沼田眞賞授賞式・記念講演会開催
★ NEWSハイライト
・害虫であるはずのウンカがイネの病害への抵抗性を高める
・COP10に向けて市民によるCBD市民ネットワーク稼働中
・放流コイ、実は大陸産だった! 沈水植物を減らし、生態系も変化
・野焼きがオオルリシジミの絶滅を救う
★ 今日からはじめる自然観察
観察会で絵本を使おう!
(植原 彰/NACS-J自然観察指導員講習会講師)
大きくて見やすい絵や写真で、子どもにも分かりやすく説明されている絵本は、最初のページから通して読む利用方法だけでなく、観察会のいろんな場面で活用できるんです! あなたも観察会に絵本を取り入れてみませんか?
★ くらしと自然のつながり再発見!
④ 東京都 世田谷区の畑
ふかふかの土で
都会の畑も人も元気よ
取材・文/市川ゆかり
イラスト/さげさかのりこ
★ シリーズ新・生命の輪・24
雪解け水で暮らす「生きた化石」
キタホウネンエビの生き残り戦略
(五十嵐聖貴/北海道環境化学研究センター)
毎年春、雪解け水によって生まれる水たまり。そうした季節限定の特殊な場にも、実は独自の生態系があり、固有種が存在しているのです。
★ 自然を守るあの手この手
環境保全を目的とした農地の買い取りが実現!
(浅野正敏/NPO法人 てんたの会代表理事)
★ この問題、私はこう見る
施行から10年。環境アセスはどう変わるべきか。
(関根孝道/日弁連環境委員会環境法部会長・弁護士)
★ 生物多様性の道プロジェクト
7月の「市民調査全国大会」で調査活動を発表しませんか!
★ BOOK&PRESENT
★ 読者の広場
掲示板/お便り/フォトライブラリー/次号予告・新入会員/Nature Navi
日本自然保護協会オンラインSHOP「しぜんもん」よりお買い求めいただけます。価格900円(送料別)