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沖縄「大浦湾チリビシのアオサンゴ群集」白化と疑われる状況が観察され緊急調査を実施する

2009.10.06
活動報告

コメント

天然記念物的価値をもつ「大浦湾チリビシのアオサンゴ群集」が何らかストレス(環境変化)による白化現象をおこしている可能性が考えられる。現状を正確に調査し、経過のモニタリングと合わせ状況を分析していきたい。
普天間飛行場移設事業にかかる準備書において、埋立ての影響はないとしている前提を科学的に見直す必要がある。

「大浦湾チリビシのアオサンゴ群集」緊急調査プレスリリース(PDF/924KB)

 

●2007年と2009年を比較したアオサンゴの動画

※発信元リンク許可済み

▲沖縄タイムス「沖縄アオサンゴに白化現象」(2009/10/11)

▲RAKUFUKUさん「アオサンゴ群落@大浦湾」(2007/9/30)

 

●白化が疑われるアオサンゴ

白化したアオサンゴの写真(沖縄リーフチェック研究会提供)
▲写真提供:沖縄リーフチェック研究会(2009年9月28日撮影)

解説「白化現象とは・・・」

サンゴ礁を衰退させる大きな原因のひとつとなっている「サンゴの白化現象」とは、造礁サンゴが組織内に共生する褐虫藻を失ったり、組織内の褐虫藻の色素が失われることによって、透明になったサンゴ組織を通して白い骨格が透けて見える現象を言う。サンゴはエネルギー供給を初め、様々な生理作用までも褐虫藻の光合成に依存するので、白化した状態が長引くと衰弱死する。一般には季候変動に伴う高水温の影響がよく知られているが、様々なストレスによって引き起こされる。オニヒトデやある種の巻き貝(シロレイシガイダマシなど)による食害や進行性の病気などで組織を失い、骨格がむき出しになった直後もその部分は白く見えるが白化現象とは言わない。

経緯

*詳細情報・アオサンゴの価値については、解説リーフレット(PDF・2.25MB)に掲載しましたので、併せてご覧ください。

2007年9月
通称「チリビシ」で大規模な群集が発見される
2008年1月
沖縄リーフチェック研究会の予備調査により位置・概況を明らかにする
2008年3~5月
日本自然保護協会・WWFジャパン・沖縄リーフチェック研究会・国士舘大学地理学教室・じゅごんの里による合同調査を実施
2008年7月
環境省記者クラブにて調査レポート(速報)を発表・会見
2008年秋
IUCNレッドリスト2008で絶滅危惧Ⅱ類に指定される
日本サンゴ礁学会にて、石垣・白保とは異なる単一な遺伝子しかもたないことが発表される
2009年9月7日
地元団体で沖縄県議会に天然記念物指定の要請を行う
9月28日
シンポジウム「アオサンゴを天然記念物にしよう!」(主催:沖縄・生物多様性市民ネットワーク)開催し県議会議員も含め約100名参加

問合せ先

日本自然保護協会 保護プロジェクト部
https://www.nacsj.or.jp/
沖縄リーフチェック研究会
http://reefcheck.net/

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