2009年5・6月号(No.509)
特集: 雨の日も楽しい自然観察
今月の表紙 カスミサンショウウオ
撮影・解説 関 慎太郎
雨の匂いに誘われ、苔むした石の上に顔を出すカスミサンショウウオ。
西日本に生息し、早春、田んぼ脇の溝などに産卵して、順調に育つと5~7月ごろには変態する。水中生活していた幼生が、いきなり陸上生活を送るという劇的変化を成し遂げるのだ。
水陸両用のかっこいい生きものに見えるが、生息場所に水域と陸域、両方の環境が残っていないと生きていけない生きものでもある。
CONTENTS
- ★特集:
- 雨の日も楽しい自然観察
- 雨の日はついつい外に出るのがおっくうになったり、観察会を中止にしたりしがちではないですか?
- でも、フィールドには「この雨を待ってました!」と、雨を利用して活発になる生きものがいっぱいいます。今回は、そんな雨の日だから観察できる生き者の行動から、雨の日観察会の開催ノウハウ、あると便利な道具まで、雨の日観察を楽しむためのコツをご紹介します。
- ・空の大水道を持つ日本(倉嶋 厚/元鹿児島気象台長)
- Q 雨が降らないと次の世代ができない植物がいるの?
- Q 雨は、いつも虫にとって困りものなの?
- Q なぜ雨の日は爬虫類はじっとしていて、両生類は活発なの?
- ・10倍楽しい雨の日観察会の開き方
- ・雨の日観察ネタ集/「雨」の観察の仕方/雨の日観察お役立 ち道具
- ・雨は自然のかく乱に必要なパワー (小泉武栄/東京学芸大学)
- ・まとめ 雨降って自然をみれば地固まる
- ★NACS-J活動クローズアップ
- ・自然観察指導員全国大会を開催しました。
- ・北海道・大雪山地から日高山脈まで保護林の拡大原案をつくりました。
- 沼田眞賞の受賞候補者 募集/自然しらべ2009 今年のテーマは「湧き水さがし」/「生きもの情報館」 ユーザーモニター募集/第20期プロ・ナトゥーラ・ファンド助成事業募集/辺野古・大浦湾の解説冊子を配布/自然観察指導員講習会&フォローアップ研修会 開催案内
- ★NEWS ハイライト
- ・スイゼンジノリ ダム建設で自生地危機
- ・韓国で農業用水路の工事中断「水田決議」根拠に
- ・霞ヶ浦の在来タナゴがピンチ! 外来種オオタナゴが大繁殖
- ・アブラムシが植物の傷をふさいで治す
- ★シリーズ 新・生命の輪・19
消えていく砂浜とともに姿を消す
自然海浜にすむイソコモリグモ
(八幡明彦/日本蜘蛛学会員)
国内でも1400種以上が確認されているクモ。その暮らしは実にさまざま。「クモの網」としてすぐイメージされる円形の網を張るのは一部です。深い森、草地、田んぼ、水辺など、さまざまな環境ごとに、その環境に適応したクモたちが、いろいろな方法で餌を捕って暮らしています。今回は砂浜に穴を掘って餌を待ち伏せる「イソコモリグモ」をご紹介します。
- ★OPINION
- 奥入瀬落枝裁判―自然の利用と管理について、踏み込んだ議論が必要である。
- (中村太士/北海道大学大学院農学研究院教授)
- ★市民団体からのメッセージ
- 湿原を守るため、買い取りプロジェクトにご協力お願いします。
- (三膳時子/霧多布湿原トラスト)
- ★HOW TO フィールドワーク
- 自然かんさつからはじまる自然保護
- ~アマチュア、ボランティアを大事にしてきた理由
- (浜口哲一/元平塚市博物館館長)
★ものづくりサークル「やまかます」 その37
- 梅干しをつくる
- ★会員ふぉーらむ
- 掲示板/MAIL BOX/フォトライブラリー/次号予告・新入会員/Nature Navi・ぴっくあっぷ/BOOK&PRESENT
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