「生物多様性基本法」制定に対してのコメント
2008年5月20日
「生物多様性基本法」制定に際して
(財)日本自然保護協会(NACS-J)
保護プロジェクト部部長代行 大野正人
日本自然保護協会(理事長田畑貞寿)では、包括的に生物多様性を保全するための基本法の必要性と具体的な提案を、「野生生物保護法制定をめざす全国ネットワーク」加盟団体の一つとして、行ってきた。この度、議員立法「生物多様性基本法」が制定される運びとなったことについて、以下のコメントを発表する。
世界的にも、生物多様性保全のための基本法を制定している国は少なく、この法をもとに国内外で現実に起こっている生物多様性の危機を解決していくことが世界・アジアからも注目される。生物多様性保全のため財政・税制を確保することや、生物多様性保全型の産業・消費の形成に踏み込んだことも、地域の持続可能な社会づくりに貢献するものとして法律の実効性を期待したい。
そのためにも、この基本法を単なる理念法とせずに、生物多様性を損失させる開発事業を見直すために積極的に用い、種の保存法や鳥獣保護法、自然環境保全法などの個別法を体系的に見直すこと、民間NGOの自然保護・生物多様性保全活動を活性化していくことが必須だ。