CBD/COP9レポート9 デスラインからライフラインへ
20日(火)。初日に行われた共同議長選出や議題の採択を受け、二つの分科会に分かれて、多くの議題を取り扱っていきます。しかし、会議の最初は、各国の一般意見表明(general remark)が多いのが現状です。しかし、バイオ燃料も扱う農業生物多様性や、遺伝子組み換え樹木が焦点となっている森林生物多様性などは、多くの国から意見表明があって、翌日に持ち越されました。
サイドイベントも会場以外でも多く行われています。私が印象的だったのは、地球の友のドイツのパートナー団体であるBUNDの活動紹介です。紹介されたプロジェクト名は「グリーンベルト」。グリーンベルトは、東西対立の象徴であり「鉄のカーテン」あるいは「デスライン」と呼ばれた地域を緑地帯やビオトープにかえるという事業で、2005年に始まりました。ドイツの人にとっては、特に思い入れの強いプロジェクトのようです。
ベルリンの壁を巡る悲劇は、年配の方には忘れがたく、さりながら、忘れたい、いや忘れてはいけないという複雑な記憶です。ドイツを真っ二つに引き裂いた地帯が、ドイツの文化的な景観や野生動物の生命線として生まれ変わるというのは、日本人の私には想像もつかないほど、大きな出来事のようです。
グリーンベルトを紹介するパワーポイント
BUNDのもう一つのコリドー計画[wild cat]の主役の野生のネコ
(保全研究部 道家)