里地の変化を知るための調査地が 全国に約180カ所誕生します!
2008年5/6月号より転載
モニタリングサイト1000は、環境省が全国に1000カ所程度の調査地を設置し、生物多様性を適切に保全していくために、生物の生息・生育状況を約100年間、長期的にモニタリングしようという事業です。NACS-Jは里地調査の運営を担当し、市民が主体となった調査を現在全国18カ所の調査地(コアサイト)で始めています。
里やまの環境は非常に多様で広大であるため、その変化を捉えるには総合的な調査のほか、できるだけ多くの場所で調査を行う必要があります。そこで、ボランティアで5年間の調査を実施していただく「一般サイト」の募集を、2008年1~2月に行いました。その結果をご報告します。
短い募集期間にもかかわらず全国43都道府県から多数のご応募をいただきました。市民団体、公園管理者、企業、行政、個人など多方面からの応募があり、中には全9項目の調査すべてを行いたいというところもありました。応募動機は、「これを機会に調査をしたい」「今までの調査結果を生かしたい」「サイトに登録することで調査員の意欲を高めたい」「地域の自然を知りたい」「保全活動の基礎データにしたい」「ほかの地域と比較して地域の価値を見直したい」など、さまざまでした。
NACS-Jモニタリングサイト1000里地調査検討委員会で検討し、環境省と協議した結果、約180サイトの候補地が決まりました。周辺地域で調査に参加したい方はぜひ、各団体にお問い合わせください。
今回の募集にあたり、「期間が短く応募ができなかった」という声も多く寄せられました。まだ調査地が足りない県もありますので、今後も定期的にサイトの見直しを行う予定です。
今後のスケジュール
調査員の皆さんには、調査に関する事務作業や調査方法などをお伝えする説明会と調査講習会に参加していただいた後、各地で調査を開始していただきます。また2年目以降は、一般サイトの調査員だけでなく、今後サイトに応募したいという方々にも説明会・調査講習会に参加していただけるような体制も検討しています。
全国から集まった一般サイトの調査結果はNACS-Jが取りまとめ、ウェブサイトや会報で、皆さんにご報告いたします。この調査に参加することを通じ、地域の特性が明らかになると同時に、この結果を活用して各地の里やま保全活動に役立てていただきたいと思います。
今後の活動にご注目ください。
(福田真由子・保全研究部)