返還予定のやんばる国有林 資源利用林をつくらないことで合意
林業団体をも含め合意した機能類型区分は、図の通り。要点は、もっぱら木材資源の供給に使う資源利用林はつくらない、まとまった自然林の残る約50%の地域は自然維持タイプとする、リュウキュウマツ人工林のある地域は水源涵養タイプとし、人工林は将来、本来のシイやカシの森に戻していくなど、返還国有林すべてを基本的に保全していくとしたこと。筆者も委員として参加し、自然維持タイプの森林を中心に森林生態系保護地域の設定が必要であること、その周囲は緑の回廊に指定し、永続的な保護の中核地域にしていく必要を述べた。また検討委員会の総意として、本来は全面返還が必要との意見もつけられた。自然保護・地域開発・軍用地利用の問題が常に複雑に絡み合うやんばる。3月4日の第7回会議では、保護林のあり方が議論される。
(横山隆一/NACS-J常勤理事)
▲沖縄北部国有林機能類型区分