欧州CBDレポ12 NO GM Tree ! NO case by case !
深夜に及ぶ議論の翌朝であっても、NGOは精力的に活動します。NGOは、毎朝、会議室を1室使って、打ち合わせを行ってきました。「昨日のサイドイベントでこんな発表があった」「本会議場の議論で、この国からこんな発言があった」という情報共有などです。その中で、共同のデモンストレーションをやることが決まりました。
テーマは、「GM Tree (Genetically Modified Tree)」、「Biofuel」、「予防原則」です。
背景を説明すると、今回のSBSTTAのテーマは、「森林生物多様性」「農業生物多様性」「気候変動」「外来種」(ほか)があると説明しましたが、 いずれの会議でも上記3つが鍵となりました。
ポプラ、ユーカリなどのパルプ用の樹木に対して遺伝子操作をおこなったものを植林するというGMTreeの問題。
Biofuel(バイオ燃料)は、大豆やトウモロコシといった農作物を使ってエタノールを作り、燃料として使うという新しい技術です。欧州を始め、世界各地で、エネルギー供給量の数%をバイオ燃料でまかなうという国家目標を定めている国があり、それが燃料穀物というジャンルを生み出し、食料(や畜産肥料)価格の上昇あるいは更なる森林伐採を伴う農地拡大の圧力となっています。
気候変動対策や砂漠化防止のための植林の問題とも三者三様に絡みあう複雑な問題です。
NGOは、このような新技術のモラトリアム(一時中止)や予防原則の適用を求める発言をし、アフリカがそれを支持する形で、CRPにも文書が反映されたのですが、その文言を「予防原則を[ケース バイ ケースで]適用する」と変える修正がされてしまいました。
この流れを受けて急遽写真のように、本会議場の位置口でデモンストレーションを行いました。
(保全研究部 道家)