欧州CBDレポ15 CBDは一日にしてならず
CBD was not built in a day
多くの人々に出会い、国際交渉の現場とそこで活躍するNGOの姿を目の当たりにした今回の欧州CBDレポも、ひとまず最終回にしたいと思います。おつき合いくださりありがとうございました。
改めて、COP10の話をしたいと思います。日本で生物多様性の国際会議が行われるということは私にとっても驚きであり、日本での生物多様性保全を進める大事な機会になるでしょう。しかし、もう一度改めて、COP10がCBDにとってどれほど重要な会議なのかをここで強調したいのです。
COP10では、生物多様性保全の重要なツールである「保護地域」や喫緊の課題である「気候変動」、「海洋沿岸」などの先送りの許されない課題が重要検討事項案として上がっています。「遺伝資源から得られる利益の公正・公平な配分」の法的枠組みについての結論を出さなければなりません。
そして、「2010年目標」に変わる次の世界目標を決める会議でもあります。おそらく、CBDの歴史上最も重要な会議です。この認識をはずすとCOP10への取り組みはうわべだけの取り組みかあるいはお祭り騒ぎに終わってしまいます。
最後に、ブログ記事の訂正を。CBDレポ4にて、All roads lead to COP10と書きましたが、COP10でどんなにすばらしい合意に達したとしても、各国に実現させなければなりません。その意味でCOP10は決してゴールではなく、COP9からCOP10そしてCOP11へと続く道のりの中で日本の役割を考えることを忘れてはならないと思います。
全ての道はローマに通ずで有名な旧アッピア街道
(保全研究部 道家)