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欧州CBDレポ6 生物多様性条約とNGO

2008.02.21
活動報告

 保護地域作業部会は、実際の進行は、事務局が用意した資料、特に、締約国会議に提出する「提言案recommendation」の内容を中心に議論が進みます。提言案に対して、まず締約国やUNEP、地球環境ファシリティー(GEF)といった国際機関、そしてNGOが総括コメントと提言案の修正を行います。
 集まった修正をもとに、提言の第1修正案(revision)が事務局によって作成されます。さらに「a案またはb案」という選択肢を用意した議長修正案(CRP)が作成され、さらに議論されて最終版(Lテキスト)を作成するという進行になります。
 議長は慣例として、政府だけではなく、NGOの意見を聞き、反映させるということになっているのですが……

 14日の会議で「事件」が起きました。

 13日の会議で議事進行役の議長が、NGOに発言の機会を全く与えずに、議長修正案を作成してしまったのです。これに先住民グループが猛烈に抗議し、自分たちの意見を聞いてくれないのであれば、CBDの会議には参加しないとアピールし、本会議場を退場してしまいました。
 これに対して、カナダやスロベニア(EU代表)が、「先住民グループやNGOはCBDにとって重要なパートナーなので、対応を検討したい」と発言し、会議が1時間も停止することになったのです。
 その間、この保護地域作業部会の運営を行う会合(ビューロ会合といいます)が開かれ、あらためて、先住民やNGOの意見をしっかり聞くことを確認しました。

 「NGOの発言が重要で、協力してもらうために、会議を一時中断する」。日本で行われる様々な審議会とは、あまりに違う展開に驚いてしまいました。

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会議の運営方法を検討するため集まる各国代表

(保全研究部 道家)

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