「赤谷の森」に残る旧街道を フットパス網として活用します。
会報『自然保護』No.498(2007年7/8月号)より転載
群馬・新潟県境の「赤谷の森」には、江戸時代に江戸と越後を結ぶ交通の要所として賑わった三国街道の旧道が残されています。この街道は昭和20年代まで幹線道路として利用され、現在は「三国路自然歩道」と名付けられています。上信越高原国立公園の一部であり、森林に囲まれた散策路になっています。
AKAYAプロジェクトでは、人の暮らしや歴史とのかかわりが深いこの旧街道エリアで、かつての植生景観の復元とともに、宿場や関所のあった猿ヶ京地区から新潟県境の三国峠までの本線・支線をフットパス(遊歩道)に設定し、地域環境管理に役立つ旧街道の活用方法のモデルを構築することにしました。
この事業は、赤谷プロジェクト地域協議会とNACS-Jが、旧街道にかかわる関係者と協力して行います。現地調査に基づく環境診断を行い、現在は道筋が不明瞭になってしまった道の復活を含め、体力や目的に合わせた散策と環境教育の場にしていくための、管理・整備計画や利用ルールを確立します。
地域住民による地域文化の再発見と、AKAYAプロジェクトの科学的な取り組みの融合によるフットパス網の設定は、地元で研究中のエコツーリズムの組み立てに基盤を与えるものになると考えます。
なお、この事業はアクセンチュア株式会社Corporate Citizenship助成事業の資金協力によって実施されます。地域住民と企業、NACS-Jの協働による環境教育フィールド設定の取り組みにご注目ください。