地域の環境管理のための モニタリング調査体制の構築方法。
会報『自然保護』No.496(2007年3/4月号)より転載
地域環境管理が社会に支持されていくためには、その活動が科学的な知識・知見に裏打ちされていることが欠かせません。
共同管理の形態で地域環境管理を進めるモデルであるAKAYAプロジェクトでは、モニタリング調査項目や調査の目標設定など、科学的な視点から活動を統括する「自然環境モニタリング会議」を設置して、赤谷の森の科学情報の蓄積と、生物多様性の修復の方法について検討しています。
プロジェクトの要となるこの会議は、単に事業の審査機能を持つだけにとどまらず、各委員がそれぞれの専門分野で、赤谷の森の調査研究を実践し、事業や活動の指揮者としての機能も担っていることが特徴です。
各調査の実行にあたっては、テーマ別のワーキンググループ(WG)が設けられ、各モニタリング活動や環境修復を進めています。WGは、専門家と、プロジェクトを運営する地域協議会、林野庁、NACS-Jの3者で構成され、立場の異なるメンバーが協働する最前線の場となっています。
生物多様性復元の協定締結から3年を迎え、長期の取り組みに向けた基礎が整ってきました。このような体制の構築方法も会員の皆さまへ発信し、地域環境管理の全国モデルとしての機能を果たしていきたいと考えています。
(茅野恒秀/総合プロジェクト・AKAYA担当)