「渓流環境」を修復する 実践モデルづくりが始まりました。
会報『自然保護』No.494(2006年11/12月号)より転載
AKAYAプロジェクトでは「赤谷の森」を流れる沢・渓流環境の修復と、水質や水量といった水環境の向上を意図した事業に、本格的に取り組みます。
そのために、渓流環境の修復を進める「渓流環境復元ワーキンググループ(以下WG)」を設置しました。関東森林管理局が設置した技術面から渓流環境を考える検討会とともに、WGはクマタカの繁殖地の一つである茂倉沢の渓流環境の修復に取り組みます。ここでは、地域住民・行政・NGOがそれぞれ考える「理想的な渓流環境の姿」について意見を交換します。そのうえで、魚類や水生生物、土砂供給量などを調査し、現在ある治山ダムの撤去を視野に入れ、渓流の自然性修復と人間生活への悪影響の回避を両立するための具体的なプランを立案します。
もう一つは住民中心となって行う水源機能向上の取り組みです。赤谷プロジェクト地域協議会が、地域の水源であるムタゴ沢エリアで、水環境の向上に向けた人工林の除伐・間伐や自然林への修復などの森林管理を開始します。地域の方々が、自らの手で環境を修復していく場とするための仕組みづくりと管理を進めていきます。
渓流は森林生態系を形づくる重要な環境の一つであり、かつ河川の上流域として多くの人々の生活とも結びつきを持っています。こうした環境を、どのような方々と、どのような手順で回復させていくのか・・・・・・このような問いに応えられる実践モデルづくりを目指します。関心のある方のご参加をお待ちしています。
←茂倉沢・治山ダムのAKAYAプロジェクト関係者による調査風景